「公助なんて当てにならない」「これでも一部損壊なのか」”竜巻"とみられる突風被害からの生活再建の壁 被害家屋の認定基準
この比率によって、全壊や一部損壊などが判断されるが、水害による浸水被害の場合は、外・内壁、基礎、柱、建具、設備、床が主な損傷となるため、最大8割を積み上げることができる。 一方、竜巻被害の場合は、床、屋根や、天井の損傷が主になってしまうため、最大3割ほどしか算定されないケースがほとんどだ。 こうした仕組みにより、今回の台風10号による突風被害では、被災した住宅のおよそ9割が「一部損壊」にとどまっている。 ■宮崎県は国に認定基準の見直しを求めた そうなると、受けられる支援も変わってくる。 災害救助法に基づく応急修理の対象には「準半壊以上」と証明される必要があるため、「一部損壊」では支援の対象外となる。 こうした中、被災者の生活への影響を踏まえ、宮崎県は、国に認定基準の見直しを求めた。 宮崎県の河野知事は、今月9日、国に被災者支援制度の改正を要望。竜巻や突風の認定基準について損害割合の見直すことなどを求めた。 (宮崎県危機管理課 田中児真さん) 「行政として支援が足りていないところはある」 おととしの台風14号の浸水被害では45%が「準半壊以上」と認定。 一方、今回の突風被害では「準半壊以上」とされたのは12%だった。 (宮崎県危機管理課 田中児真さん) 「被害に遭った方々の一日も早い復興を目指して、県としても是正してもらいたい。提案してもらいたいことを、口酸っぱく、国に伝えていきたいと考えている」 ■築1年余り かかる費用は800万円近くも算定結果は「一部損壊」 宮崎市佐土原町の猪野宏樹さん。 今年8月、竜巻とみられる突風が築1年余りのマイホームを襲った。 (猪野宏樹さん) 「外壁が傷ついていたりとか、雨どいもまだ割れてそのままなので、これから修理というところだが、修理のメドは立っていない」 いまだ、被害の爪痕が残る猪野さんの自宅。 割れた窓ガラスや雨どい、それに、外壁の修理費など、かかる費用は800万円近くになるというが、算定結果は「一部損壊」となったため、国の制度による補助は一切受けられない。
(猪野宏樹さん) 「被害額的にはすごい額だったので、『これでも一部損壊なのか』という少し残念な気持ちがあった。被害額とか、そういうので見てもらえると、非常に被災者としては助かる」 自然災害が激甚化する中、被災地の実態に伴った制度の見直しが求められている。 宮崎市は一部損壊以上の世帯に見舞金、さらに、被害の割合に応じた独自の支援金を給付しているが、復旧にかかる費用をすべてまかなえる額ではない。 国、また、行政には、被災者の現状に応じた支援を行ってほしい。 ※MRTテレビ「Check!」12月13日(金)放送 「Check!調査班」から
宮崎放送