中国が約40年ぶりの定年引き上げへ、13日にも承認か-全人代常務委
(ブルームバーグ): 中国が定年引き上げに向け法整備を急いでいる。早ければ13日にも承認される可能性がある。
全国人民代表大会(全人代、国会に相当)常務委員会は10日、定年退職の年齢を段階的に引き上げる法案などを審議した。国営新華社通信が詳細を示さず報じた。可決されれば、約40年ぶりの定年引き上げとなる。
中国共産党は7月、「自主的かつ弾力的な原則」に基づき定年を引き上げると発表していた。この法案は、今週4日間にわたり開催される常務委会議に先立ち発表された議題には盛り込まれていなかった。
世界2位の経済大国である中国は人口減少という逆風に直面し、経済成長の見通しが悪化している。定年の引き上げは、生産年齢人口の減少を緩やかにし、2023年に過去最低となった出生率の引き上げに取り組む時間を稼ぐことになる。
ブルームバーグ・エコノミクス(BE)の朱懌エコノミストは法定退職年齢の引き上げについて、長期成長に対する大きな足かせに対抗する重要な一歩になるだろうとしながらも、こうした措置で「流れを変えることはできない」と指摘。
「定年退職年齢が上がっても、成長率は下がる。われわれの予測では、50年までに成長率は1%程度にまで鈍化する」とコメントした。
この法案は、常務委の会議が終了する13日に承認される公算が大きい。定年引き上げに関する08年を含む以前の議論は、立法化に至らなかった。
中国は少なくとも1970年代以降、ホワイトカラーの定年を男性で60歳、女性は50-55歳としており、世界的に見ても低い。
原題:China Risks Public Backlash With Move Toward Retirement Age Hike(抜粋)
--取材協力:Yujing Liu、Jing Li.
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Foster Wong, Josh Xiao