日マレーシア首脳会談、法に基づく国際秩序維持で連携確認へ 中国を念頭
【クアラルンプール=大島悠亮】石破茂首相は10日午前、訪問先のマレーシア・クアラルンプール近郊の首相府で、アンワル首相と会談した。両首脳は経済的、軍事的威圧を強める中国を念頭に、サプライチェーン(供給網)構築や海洋安全保障の分野で協力強化を図り、法の支配に基づく国際秩序の維持に向けて連携拡大を確認する。 石破首相は昨年10月の就任後、国際会議への出席を除き、個別に外国を訪れるのは初めて。マレーシアは今年の東南アジア諸国連合(ASEAN)議長国で、同国に続いて訪問するインドネシアと併せ、経済と外交で存在感を増すグローバルサウス(GS、南半球を中心とする新興・途上国)への関与を深める狙いがある。 両首脳は会談で、海洋安全保障分野での連携深化の重要性も共有し、サイバーセキュリティー分野での協力やマレーシアから日本への液化天然ガス(LNG)の安定供給について協議。また、マレーシアはイスラム教を国教としていることから、中東情勢についても意見交換したとみられる。