【高校野球】静岡高の中野桜佑が投打で県勢4大会連続頂点に導く…春季東海大会18日開幕
高校野球の春季東海大会が18日、岐阜で開幕する。県準優勝の静岡は初日に県岐阜商(岐阜1位)と対戦する。1年秋から昨秋までエースだった静岡・中野桜佑(3年)は、今春は主に一塁手として起用されながらも投打で活躍。同校では2015年以来、県勢としては4大会連続の頂点へ意気込んだ。 復調してきた静岡の中野が、まずは“名門対決”を制しての東海大会制覇に目標を定めた。甲子園出場回数は、春夏通算43回の静岡に対し、県岐阜商は同60回。右腕は「岐阜の高校といえば、というチーム。力があり、僅差のゲームになると思うが、気にせずに勝つことに集中したい」と初戦のイメージを思い描いた。 直球は最速139キロで、スライダーなど4種類の変化球を操る。一塁手を兼任しながら、1年秋から昨秋まではエースを任されていた。昨夏の県大会、秋の予選といずれも先発を任されたが初戦敗退。「コンディションが悪く、球質や制球で思った通りに投げられなかった」 今春、同学年の180センチ右腕・谷脇健心が台頭。さらに、2年生の吉田遥孔、増田煌太朗の両投手も力をつけ、中野の起用法が変わった。春は主に「5番・一塁」でスタメン出場し、予選と県大会の合計8試合で登板したのは2試合のみ。予選で静岡市立との上位決定戦(5〇1)は先発で6回無失点。加藤学園との県決勝(1●2)は中継ぎで登板。4番手として8、9回は3者凡退で封じたが、延長10回、相手の足攻で揺さぶられ、サヨナラ負けを喫した。 ただ、優勝が懸かった大一番の終盤に登板させた池田新之介監督(46)の信頼は厚い。「県大会のピッチングも良かったし、試合に入り込まずに状況を見極める投球をしてくれる」と評価。冬場には、下半身の連動性を高めるフォームへ改造した中野は「昨秋よりはいい」と手応えを口にした。 東海大静岡翔洋中ではチーム事情から投手も始め、3年時は全国16強に貢献。進学した静岡でも1学年上のエース候補が離脱して、1年秋から背番号1を背負ってきた。また「コンスタントに安打を打てるのが持ち味」と、打撃も評価され主に中軸で起用されてきた。今春県大会では全5試合で打率3割。「静高にいる間は、野手としても投手としても結果を残さなければいけない」。責任感の強い男が、投打で東海大会のキーマンになる。 (伊藤 明日香) ◆中野 桜佑(なかの・おうすけ)2006年5月22日、焼津市生まれ。17歳。小学3年から野球を始め、焼津リトルハヤブサで主に遊撃手としてプレー。東海大静岡翔洋中から静岡に進学。178センチ、83キロ。右投左打。 ◆静岡と県岐阜商の甲子園出場 静岡は春17回、夏26回の通算43回。春夏通じて全国制覇は1926年夏の1回(当時は静岡中)。県岐阜商は春、夏とも30回ずつで通算60回。春3回、夏は1回優勝している。両校とも、それぞれの県内で通算最多出場校。
報知新聞社