ピレリ、フェラーリとポール・リカールで2日間のタイヤテストを完了。2025年用コンパウンドや新ウエットタイヤを評価
F1公式タイヤサプライヤーのピレリは2025年シーズンに向けて、フランスのポール・リカール・サーキットでフェラーリとタイヤテストを実施した。 【ギャラリー】ピレリ、ポール・リカールでフェラーリとタイヤテスト実施 タイヤ開発を目的とした今回のタイヤテストは、カタルニアとヘレス、鈴鹿に続き今季4回目。ポール・リカールではフェラーリのレギュラードライバーふたりがステアリングを握った。 テスト初日は、カルロス・サインツJr.がフェラーリの今季マシンSF-24に乗り、かつてF1フランスGPでも使用された5.842kmのサーキットレイアウトを主に走行。2025年シーズンに向けてピレリが開発している様々なタイヤコンパウンドや構造を比較した。 テストの目的はオーバーヒートを抑える方法を見つけることだったため、ほとんどの作業はより柔らかいタイヤコンパウンドに集中。この日のサインツJr.は合計138周(うち17周はショートコース)、計768kmを走破した。 テスト2日目は、新開発のフルウエットタイヤとインターミディエイトタイヤの評価が行なわれた。ポール・リカールはスプリンクラーで人工的にウエット路面を再現することが可能で、シャルル・ルクレールがサインツJr.に代わり、3.523kmのショートコースを走った。 ピレリは昨年、タイヤウォーマーを必要としないフルウエットタイヤを投入したが、ダンプコンディション用のインターミディエイトタイヤに比べてパフォーマンスが大きく落ちるため、ドライバーからは不評だった。 さらにフルウエットタイヤを使用する場合は、視界を含め安全上の問題から赤旗が提示されるかどうか瀬戸際のコンディションであることが多く、必要性の問題が指摘された。 こうした背景から、ピレリは2025年に向けて新しいフルウエットタイヤの導入を目指しており、テストの結果次第では、予定よりも早く導入する可能性さえあることを明かしていた。 なお、こうしたタイヤテストに参加するチームは、少なくとも1回のレースまたは現行車両テスト(TCC)で使用された仕様のコンポーネントのみを使用する必要があり、パーツやセットアップの変更は認められていない。そして収集されたデータは、グリッド上全てのチームに共有される。
Basile Davoine
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