日銀、政策金利を年内に0.5%まで引き上げる余地-政井元審議委員
(ブルームバーグ): 日本銀行は、経済情勢がほぼこのまま推移すれば、年内に政策金利を0.5%まで引き上げる余地がある。元日銀審議委員でSBI金融経済研究所の政井貴子理事長がこうした見方を示した。
政井氏は27日午前、ブルームバーグテレビジョンのインタビューで、「実体経済次第だが、現状のような経済予想が続くのであれば、あと1回か2回の利上げで、0.5%ぐらいまで引き上げてもいいと思う」と語った。
同氏は企業や家計のインフレ期待が過去2年間の物価上昇で変化していると指摘。「日銀は万全を期したいだろうが、同時に円安といった副作用にも対処しなければならない。明るい面としては、企業業績は良好で、将来のための投資をする十分な能力がある」と述べた。
政井氏はさらに、日銀が円に関する情報発信を強化し、消費への影響を警戒する必要があると指摘した。同氏は2021年6月まで5年間、審議委員を務めた。
先週24日に発表された4月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除くコアCPI)の前年比上昇率は2カ月連続で縮小した。コアCPIは前年同月比2.2%上昇と、日銀の目標の2%を2年1カ月連続で上回った。
消費者物価は2カ月連続伸び縮小、市場で追加利上げ時期探る展開続く
政井氏は、金融政策決定会合の「主な意見」や幹部発言を含む最近の日銀のコミュニケーションに基づくと、当局は国債イールドカーブのさらなるスティープ化を追求することに集中しているようだと指摘した。
同氏は、円安が経済に与える影響について日銀の具体的な評価を見定めるのはまだ難しいと説明。日銀は「この点について、何らかのコミュニケーションを取る必要がある」と述べた。
原題:BOJ May Hike Rate to 0.5% by Year-End, Ex-BOJ’s Masai Says(抜粋)
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Brian Fowler