【2024年度の公的年金は2.7%増額へ】あれ?これって結局増えてないのでは…?
2024年4月分からもらえる年金は増額となりました。 ただし、昨今の物価高を踏まえると実質的な年金額が増えたとは言えないのが実態です。 【例表】2024年度の公的年金「国民年金と厚生年金」はそれぞれいくら? では、年金額はどのようにして決まるのでしょうか。 本記事では、2024年4月分から一般的な家庭がもらえる年金額と年金額が決まる仕組み「マクロ経済スライド」について解説します。 年金受給世帯や近い将来年金を受け取ることになる人は参考にしてみてください。 ※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
2024年度の公的年金は2.7%増額へ
年金は、年度ごとに受給額が改定されます。 では、2024年4月からの年金はいくらになるのでしょうか。 厚生労働省が公表する一般的な家庭における年金受給額を確認してみましょう。 なお、「一般的な家庭」とは平均年収約527万円の会社員として40年間勤務した夫と会社員や公務員経験のない専業主婦の妻の家庭をさします。 厚生労働省「令和6年度の年金額改定についてお知らせします」によると、一般的な家庭が受け取る2024年4月からの年金額は月23万483円です。 2023年度の年金額は月22万4482円なので、月6001円の増額となっています。 国民年金は満額で月額6万8000円。前年度から1750円の増額です。 それぞれ、2.7%の増額となります。 ※2024年4月分の年金は5月分とあわせて6月に支給されます。 このように、厚生年金・国民年金ともにたしかに前年度から増額となっていますが、「実質的には増えてない」といわれています。 増えたようで増えてない…? その理由を次章で確認していきましょう。
年金額は増えたようで増えてない!?
2024年度の年金額は2023年度から2.7%の増額となることを確認しました。 年金受給額が増えることに喜ぶ人もいるかもしれません。 ただし、年金額の増額と同時に確認したいのが物価上昇率です。物価上昇率が年金増額率を上回る場合、実質的に年金は減っていることになります。 では、物価上昇率は何%だったのでしょうか。 厚生労働省「令和6年度の年金額改定についてお知らせします」によると、2023年の物価変動率は+3.2%です。物価上昇率が年金増額率を上回っていることがわかります。 そのため、実質的にもらえる年金の価値は減っているのが実態です。