新パターのデビュー戦だった10勝目 松山英樹のクラブ選びがストイック
◇米国男子プレーオフ第1戦◇フェデックスセントジュード選手権 最終日(18日)◇TPCサウスウィンド(テネシー州)◇7243yd(パー70) 【画像】松山英樹 優勝会見でようやくリラックス 毎週異なるパターをテストすることに、松山英樹はためらいがない。通常時は5、6本のパターを持って転戦している。今大会でもそれは同じだったが、違っていたのは、一度も実戦で使用していないパターに乗り換えたこと。結果的に、この決断がツアー10勝目に大きく貢献した。
最終ラウンドは7連続パーでスタートし、8番(パー3)で12m、11番(パー3)で6mのバーディパットを沈める。12番と14番(パー3)をボギーとし、15番でダブルボギーをたたいて首位の座を明け渡したものの、17番で力強いバウンスバックを見せた。首位奪還の勝負どころで8mを流し込んでガッツポーズ。続く最終18番もバーディとして勝利を決定づけた。 松山は「大会を前に、コースに合ったパターが必要だと思った。グリーンのコンディションは知っていたから、このパターなら合うんじゃないかと。実際に最高のパットができて、優勝につながりました」と話す。
今大会で使ったのはスコッティキャメロン クラフツマン スクエアバック ツアープロトタイプ。元々重量配分のための“ブレットボトムソール”が搭載され、松山のパターはこの部分が埋められている。また、このパターにはサイトライン用に単一のドットが入っており、背面とソールにはスコッティキャメロンのカスタム刻印が施されている。 「このパターは前から持っていて、今週はデビューに良い頃合いだと感じました。ただ今夜、またパターを変える可能性はある」。第3ラウンドを終えた時点で、松山はこのように話していた。 最終ラウンドのスタート前、松山は今大会使用してきたパターとは別のものを取り出して周囲を驚かせた。キャリアを通じて使用してきたモデルに近いスコッティキャメロン ニューポート2パターでパットの練習ルーティンを始めたが、ほどなくして新パターに戻し、初めてプレーオフシリーズでの勝利を手にしたのである。 この勝利により、松山は昨季負傷により棄権した「BMW選手権」に11度目の出場を果たす。同大会における最高成績は、最終日に「63」をマークしてリーダボードを駆け上がった2019年大会での3位。次週に向け、松山はまだどのパターをバッグに入れるか決めていない。 「来週同じものを使うかどうか、まだ分からない。キャッスルパインズではまだ一度もプレーしたことがないので、決める前に、まずはグリーンがどういう状態かを確かめる必要がある」と松山は話した。 (協力/ GolfWRX, PGATOUR.com)