廃棄されるシカの骨や野菜などをペットフードに 九重町のペットツーリズム協が開発
大分県九重町の宿泊施設や飲食店などでつくる「ここのえペットツーリズム協会」(野田諭香代表、24施設)は、廃棄されるシカの骨や野菜、川魚などを活用したペットフードを開発した。年明けからの販売を目指しており、「鳥獣による農業被害を減らし、フードロス削減にもなる。町の新たな特産品に」と意気込んでいる。 ペット連れに優しい観光地をPRしようと、県からの補助を受け、2年近くかけて開発した。 町内で捕獲されたシカの骨と規格外のため廃棄されるトマトを煮込んだ「トマトのボーンブロス」はイヌ科向けで、100グラム入り800円。災害などへの備えにもなるよう長期保存が利くレトルトパウチにした。同じく廃棄される産卵後のヤマメを使ったジャーキーは主にネコ科用。25グラム入り900円で販売する予定という。 今月上旬に野田代表(40)らが町役場を訪れ、日野康志町長に完成を報告。日野町長は「新しい発想で素晴らしい品ができた。ペットとの共生に資する事業分野は今後ますます重要になってくる。行政としてできる限りのバックアップをしたい」と述べた。 新商品のPRを兼ね、17日にはアフリカンサファリ(宇佐市)の動物たちに「ちょっと早めのクリスマスプレゼント」(野田代表)として試食してもらった。 野田代表は「町内産にこだわり、細部にまで思いを込めた。都市部にも売り込みたいが、まずは地元で広く知ってもらいたい」と話している。 販売は同協会加盟施設で。問い合わせは同協会事務局の「季の郷(さと) 山の湯」(0973-78-8111)。