石破ショックで倒産連鎖がスタート!この業界はとくにやばい!内需はもはや「深刻な状況」…「失われた23年間」は数字に示されている
石破茂・自民党新総裁誕生で一気に円高進行…石破はかねてから内需重視の姿勢
ところが、9月27日には自民党総裁選挙において決選投票の上、石破茂氏が新総裁となった。その瞬間から1ドル=146円近くで推移していたドル・円は一気に142円台まで円高進行した。 石破さん=内需というイメージでの円高進行だったのだと思う。更に石破さんは「少しでも金利のある世界というものに戻していくことによって得られるメリットもあり、それが日本の経済の構造そのものを転換することに繋がるものだということを、国会の場を通じて多くの国民に納得してもらえるように努めていただきたい」と述べている。 同時に石破さんはかねてから「日本経済は内需主導」という考え方の持ち主だ。昨今の円安の恩恵で輸出企業が史上最高益を上げて経済指標に大いに貢献していることについても「多くの労働者にとっては決して幸せなことではない」とはっきり明言している。
倒産件数は28ヶ月連続で増加…内需は深刻な状況だ
以前からこのコラムでも輸出産業だけが一人勝ちしている裏で深刻な内需、特に飲食を中心に倒産件数の増加を書かせていただいてきた。実際に今年も倒産件数の増加が続いていて、2024年1月から7月までの年間の累計倒産件数は5884件と2014年以来の高水準となり、年間1万件超えをうかがうペースとなっているのだ。月次の前年差の推移をみても、2022年4月以降、28ヵ月連続で増加が続いている。 また、先般国税庁から発表された2023年の「民間給与実態統計調査」をみると日本の平均給与は459万5000円と三年連続で増加して前年に比べ0.4%増えたとしているが、これとて2000年以前の水準には及んでいない。実際に日本が1999年にゼロ金利政策をとってから2023年まで一度たりとも2000年の水準を超えていないのである。円安恩恵を受けた一部企業を除けば、多くの国民にとっては「失われた23年間」と言わざるを得ないのだ。
木戸次郎