元野球少年、Jリーガーが語る思い出のドラフト会議「自分のことでいっぱいだった」けど喜んだ友人の指名
プロ野球のドラフト会議が24日に行われる。野球界にとって年に1度のビッグイベントを、Jリーガーはどう見ているか。かつて野球少年だったJ1アビスパ福岡の松岡大起（23）に尋ねた。 ■ドラフト会議で指名され宙を舞う川野【写真】 父が熊本工で甲子園に出場した松岡は熊本・田迎小1～3年時に地元熊本市で野球をしていた。「ほぼ全部のポジションを経験しました」。当時、バットをピッチャー方向に向けて大きく叫ぶ写真が14日、アビスパの公式Xでアップされて話題になった。 「ピッチャーを威嚇するというわけじゃないけど、ボールが来る前に『さー、来い！』って気合を入れていた。チームはみんなやっていたと思います」。野球にも全力で打ち込んでいたが「ドラフトは見ていなかったかもしれないですね、失礼ながら」と記憶にないという。 記憶に残るのは、佐賀・高志館高3年時にサガン鳥栖U―18からトップチームへの昇格を果たした2019年のドラフトだ。田迎小や熊本・詫間中で同級生だった熊本・九州学院高の川野涼多が西武に4位で指名された。「野球に携わる自分の兄貴やお父さんも『たぶんプロに行きそう』と言っていた。ドラフトの結果が自分のところにも流れてきて。おめでとうと連絡しました」。当時は鳥栖がJ1残留へ厳しい戦いを続けていた時期。コンスタントにベンチ入りしていた松岡は「自分のことでいっぱいだった」と振り返るが、友人のプロ入りは素直に喜んだ。 その後、プロでスイッチヒッターに挑戦した川野は3年目の22年に1軍でデビュー。しかし昨年はけがに苦しむなどして昨オフ戦力外となり、育成選手として再契約した。清水からブラジル2部のグレミオに移籍しながら、出場機会を得られず苦しんだ経験を持つ松岡は「今もご飯に行ったりする。彼も結構難しい期間を過ごしているけど、切磋琢磨（せっさたくま）してお互い頑張っていければ」とともに活躍する日を願う。 自身は福岡に加入した今季、33試合に出場して1得点。ボランチとして不可欠な存在になってきた。前節累積4枚目の警告を受けたため、次節の柏戦は出場停止。それでも23日の居残り練習では不慣れな左足からのシュートを繰り返した。「両方蹴れた方がもちろんいいので。ボールを奪った後のパスも突き詰めないといけない。残り少ない期間で自分の能力をすべて結果として出すための準備期間にしたい」とさらなる成長を誓った。（末継智章）
