後半に攻撃陣が爆発の那覇西、 城北に4-1快勝
ともに2連敗で敗退が決まっているチーム同士の対戦は、後半に攻撃陣が爆発した沖縄の雄に軍配が上がった。 【フォトギャラリー】 城北 vs 那覇西 九州高等学校(U-17サッカー大会)の2日目が鹿児島県内で行われ、第4ブロックでは那覇西と城北が対戦。序盤から主導権を握った那覇西は4-3-3の布陣でスタートすると、CBの上地克幸(2年)を軸にビルドアップし、アンカーのチメズ・ビクター・チュクンマ(2年)らがボールを展開して相手陣内に進入していく。しかし、アタッキングサードでパスが繋がらず、決定打を繰り出せない。それでもリズムは崩さずに仕掛け、守備陣も焦れずに球際で戦って相手にシュートを打たせなかった。 0-0で迎えた後半。那覇西はサイドから積極的に仕掛けると、後半5分にFW宮城煌河(2年)のお膳立てからMF比屋根愛都(2年)が先制点を決める。12分に城北の畠本滉生(2年)に同点ゴールを許したが、以降も臆さずに仕掛け続けてチャンスを生み出していく。運動量が落ちた後半15分以降は選手を入れ替えながら戦うと、終了間際の28分に途中出場のMF上地玲央(1年)が技ありのミドルシュートを右足で決めると、その直後の30分には同じく途中出場のFW久貝優斗(2年)がFW玉寄一星(2年)のフィードから抜け出し、豪快に左足でボレーシュートを叩き込んだ。 アディショナルタイムにも上地が直接FKを決めた那覇西は4-1で快勝。前日の試合後に那覇西の運天直樹監督は、「シンプルにゴールに向かう鵬翔さんのスタイルを止めきれなかった。動き出しが早いし、どんどん背後に抜けてくる」と反省を口にしていたが、この日は守備陣が奮起。攻撃陣も前日は相手の強度に手を焼き、ボールを動かせずに中盤でのミスが散見したが、この城北戦はアグレッシブなスタイルで果敢にゴールを狙い続けてゴールを重ねた。 現在は沖縄県リーグ1部に所属しており、県外の相手と対戦できる機会は年に5回ほど。この九州新人戦や長期休暇中のフェスティバル参戦以外は外に出られないため、今大会は貴重な場となる。また、2月の半ばに石垣島遠征を行っていた青森山田と練習試合をする機会があり、そこで体験した全国レベルのプレーを自分たちに還元する上では絶好の機会となった。 惜しくも1勝2敗の3位で大会を去ることになったが、この経験は決して無駄ではない。個人レベルでもビクターや上地克といった個性的なタレントもおり、研鑽を積めば飛躍も見えてくる。沖縄県を牽引する実力校は九州新人大会で味わった悔しさを糧に、さらなる成長を目指して戦い続けていく。 (文・写真=松尾祐希)