ガンプラ愛好家が絶賛、ケンプファーを大胆チェンジさせた“鮮やかブルー”へのこだわり「【映え】の要素を強く表現」
■「『80点を超える秀作』をコンスタントに」が自分にも今の時代にも合っている
――本作を含め、「ガンプラ」で表現する際、一番気を付けていることはどんなことですか? 【あおな】必ずひとつ以上の「チャレンジ」を設けて制作に臨むようにしています。やったことのない工作や塗装など新しいことに。既存の技術でもより美しく精度を上げることに。撮影方法や写真のプレゼン方法に。もちろん「チャレンジ」なので成功が確約されているワケではなく失敗もあります。いい意味で気負わず制作するための逃げ道にもなりますし、ともかく実際にやってみることが大事だと考えています。何かが前の自分よりも、前の作品よりも少しだけ良いものとなるように心がけていますね。 ――すばらしいですね。 【あおな】ありがとうございます。「楽しんで制作』を大前提に。その上でそれを維持するための追求と妥協のバランスを大事にしています。理由としてはSNSや展示会を通して制作品が「作るもの」から「見せるもの」となった意識変化が大きいです。自己満足でよかったフェーズから、たくさんの人から見ていただけるようになり、端的な「美しさ」「かっこよさ」はもちろんとして、工作、塗装の技術精度も必要と感じるようになりました。 それらをとことん追求するのも楽しみのひとつかもしれません。しかし僕の場合そうなると永久に完成品がなくなってしまう。そもそも飽きてしまう、といった状況に陥る気がします。そうなると大前提である楽しさが失われてしまうため、ある程度のラインで“今回はこのくらいで“と線を引くようにしています。「限りなく100点に近い傑作」より「なるべく80点を超える秀作」をコンスタントに生み出すことが、楽しみを維持するためにも自分には合っていると思いますし、コンテンツ消費サイクルの早い時代ニーズにもマッチしていると感じています。 ――市況を冷静に分析されながら、ご自身のガンプラ哲学を貫く。モデラーの理想かもしれませんね。では最後に今後の抱負を教えてください。 【あおな】せっかくこういった活動をしているので、メディアで取り上げていただけるような大きな大会でなにかひとつでも箔のある実績を残したい、と考えています。サークルメンバーがすでに実績持ちなので、楽しくも切磋琢磨できるいい環境で活動させてもらえていることにとても感謝しています。 また、いくつか展示会の運営という立場にも立たせていただいています。9月に東京・浅草で『ネクストモデラーズエキスポ(ネクスポ)2024』、10月に愛知・名古屋で『東海モデラーズコレクション(トモコレ)2024』を予定しております。これらの展示会も作る楽しさや新たな同好の出会いやつながりを深める場として今後の業界を盛り上げる役作りを担っていければ、という思いで臨んでいます。 ほかにも、やりたいことだけはホントにたくさんあって。いくら時間があっても足らないのですがどれも、無理のない範囲で、楽しみながら、ひとつずつ成し遂げていけたらいいな、と思い今後の活動も続けていこうと思います。