従来以上にシャープな切れ味! フォルクスワーゲン・ゴルフ Rへ試乗 全天候対応の万能アスリート
最高出力332psへ ターボの回転制御も改良
フォルクスワーゲン・ゴルフ GTIを凌駕する四輪駆動モデルとして、ゴルフ Rが登場してから22年。価格帯はすっかり上昇してしまったが、内燃エンジンの終焉が見える中で、ホットハッチの戦いは2025年も熱いようだ。 【写真】全天候対応の万能アスリート VWゴルフ R 競合クラスのホットハッチ 最新GTIも (115枚) フェイスリフトを受けた最新ゴルフ Rのフロントに載るのは、2.0L 4気筒ターボガソリン。最高出力は、8ps増しの332psが与えられた。最大トルクは42.7kg-mで、これまでと変わらないが、発生回転域は2100-5500rpmへ僅かに拡大されている。 シームレスなパワー特性を維持しつつ、従来以上の楽しみを生むため、ターボチャージャーの制御にも改良を受けた。アクセルペダルを緩めた状態でもタービンの回転数を高く保ち、鋭い再加速に備えるという。 またスロットルバルブは、アクセルオフでのオーバーラン時も、開いた状態が保たれる。これにより、ラリーマシンのアンチラグシステムのような特性を得ている。 トランスミッションは、改良された自社製の7速デュアルクラッチ・オートマティック。電子制御のトルクスプリット機能を備えた四輪駆動システムが、パワーを受け止める。
見た目の変化は小さめ 扱いやすいMIB4システム
フェイスリフトによる見た目の変化は小さい。エンジンとブレーキの冷却効率を求めて、フロントのエアインテークが拡大。バンパーの形状も練られ、高速域での安定性も高めている。 テールゲートには、大きなスポイラーをマウント。リアバンパー下部には新形状のディフューザーが与えられ、気流を整えつつ有効なダウンフォースを生む。とはいえ、印象は控えめ。20mm低い車高と広げられたトレッドが、スポーティな雰囲気を醸し出す。 アルミホイールはラインナップを更新。試乗車には、鍛造のヴァルメナウ19インチ・ホイールが組まれていた。これは1本8kgで、標準の18インチより20%軽いという。 インテリアは、通常のゴルフと同等の内容でアップデート。インフォテインメント用タッチモニターは、従来の10.2インチから、12.9インチへサイズアップした。 システムもMIB4と呼ばれる最新版で、ホーム画面はカスタマイズ可能に。エアコンとシートヒーターのアイコンが、画面下部へ固定表示される。送風温度やオーディオのボリュームを調整するタッチセンサーには、イルミネーションが内蔵された。 MIB4システムは入力に対する反応が速く、メニュー構造も直感的。アップル・カープレイとアンドロイド・オートには無線で対応し、スマホのワイヤレス充電パッドも用意されている。ライバルに並ぶ装備水準といっていい。 ステアリングホイールには、ゴルフ Rだけタッチセンサーが残された。他のゴルフにはない、レース・モードを選択できるように。