高校を卒業後、北海道の競馬場に就職し、競走馬を育てていた。帰郷後に大学受験を決意したが、2年遅れの大学入試センター試験は成人式の日。泣く泣く成人式には参加できなかった。大人となる区切りの行事に参加できなかったことは、40代半ばになった今も心の片隅に引っかかっている。 【写真】太陽と桃の歌 　ユダヤ教では成人式「バット・ミツバ」を13歳で迎えるという。妻を亡くして信仰心を失いかけた40歳のユダヤ教先唱者と、参加できなかった成人式をしたいと願う70歳の元音楽教師。長年の夢をかなえるため時間を共にする中で、2人が自分の人生を取り戻していく物語。 　「やりたい」という思いが募る時、人は何歳でもやり直せる。年齢や環境に縛られた「できない」の思い込みを打ち破っていく2人の姿に、勇気をもらった気がした。 　年末には、同級生と酒を酌み交わしながら成人式の思い出話を聞いてみようと思う。 （DX推進部・屋良朝輝） ◇パレットで上映中