「パワーすご」「乗ってみたいかも…」ホンダ完全新作のフラッグシップに試乗:大型船外機”BF350”
強烈な加速Gとともにトップスピードへ
基本的な説明を受けた後、いよいよ同乗試乗だ。今回試乗した船体は、ニュージャパンマリン製の”NSB335”というマルチパーパス・クルーザー。 なおBF350については2基を搭載している。 その走り出しは、とにかく圧倒的な加速に驚かされる。身体にかかる、想像以上の加速Gを感じながらそのハイパワーぶりを実感する。 スロットル開度に応じたリニアな加速感があり、これは必要なタイミングで必要なパワーを即得られるという、大排気量エンジンならではの余裕からきているのだろう。 走り出しに驚いていると、速度が乗ってきてそこからさらにスロットルを開ける。 そこからはいとも簡単に、トップスピードレベルまで加速していく。ある程度の速度域からのさらなる加速感についても、フラッグシップモデルたるBF350の存在を強く印象付けるものだった。 当日は天候にも恵まれ、海もいわゆる”ウネリ”が少ない状況。BF350はニュージャパンマリン製の船体NSB335とのマッチングも良いようで、水の抵抗感も少ないスムーズな走りをみせる。大げさに例えるなら、海面ギリギリを飛行機で低空飛行しているかのよう。 同時に印象に残ったのは、静粛性の高さだ。V8の4952ccという、大排気量エンジンが高速回転しているにもかかわらず駆動音は想像以上に静か。 不快な振動もなく、決して長くない試乗時間でも最後に楽しむ余裕も生まれるぐらい、快適な乗り心地を実感できた。 【船体:ニュージャパンマリン・NSB335】フラッグシップエンジンを2基搭載しているのにもかかわらず、意外なほど走行音は静か。最新モデルらしく、振動の少なさも印象に残った。●全長:10.2m ●全幅:3.2m ●燃料タンク容量:530L ●清水タンク:56L ●最大搭載人数:12名 ●価格: 3454万円~(標準装備[STD]エンジンレス)
NSXのエンジンを積む”BF250”にも乗ったぞ
今回紹介したBF350が登場するまで、ホンダマリンのフラッグシップであった船外機”BF250”も今回の試乗会場に用意されていた。 BF250に搭載されているエンジンはV型6気筒3583cc。じつはこのエンジン、ホンダが誇るスポーツモデル、NSXに搭載されているエンジンと同系統のもの。 その最高出力は250ps。近年の大型船外機業界では”パワーウォーズ”が起きているらしく、なんと500psオーバーというエンジンも珍しくないのだとか。 そんな中にあってBF250は、決して驚異的パワーとまでは言えないものの、必要十分なトルクとパワーを発揮。BF350同様、VTECを採用したスムーズな回転上昇も、このモデルの魅力のひとつと言える。 そしてBF250を搭載した試乗船もあったので、こちらにもトライさせてもらう。 スタート時の加速感については、やはりBF350と比較すれば若干マイルド。高回転域までスロットルを開けたときの駆動音や振動も抑えられているが、コチラのほうが「一生懸命回ってます!」というエンジンの主張がより強く感じられた。 ちなみに、250psだろうと350psだろうと「一般的なボート操船においては扱い切れないほどのパワー」であることに変わりはない。 【BF250】こちらもニュージャパンマリン・NSB335に2基を搭載。同じ船体なだけに、素人でもその違いはそれなりに感じられた。■エンジン種類:水冷4ストV型6気筒SOHC ■排気量:3583cc ■最高出力:250ps/5800rpm ■価格:247万2800円~261万5800円