退屈と思われている大型の割安株に「ルネッサンス」がやってくる…バンカメが注目する4つのセクター(海外)
バンク・オブ・アメリカは、大型バリュー株がグロース株を上回り始めると予測している。 バリュー株は過去20年間、グロース株を下回ってきたが、近いうちに反転する可能性がある。 バンク・オブ・アメリカは、取引で恩恵を受けるために購入すべき4つのセクターの株を挙げた。 バンク・オブ・アメリカ(Bank of America)によると、株式市場において最も退屈な分野がアウトパフォームする「ルネッサンス」を迎える態勢が整っているという。 「私の言うことをよく聞いて。大型、株、バリュー」とバンク・オブ・アメリカのストラテジスト、サビタ・スブラマニアン(Savita Subramanian)はメモに記している。 同行によると、投資家がAIを活用した成長株を追い求める中、事実上見放されてきた退屈なバリュー株(割安株)が、久しぶりに株式市場全体を上回る業績を上げる見込みだという。 「20年の安定した低パフォーマンスの後、アメリカのバリュー株はグロース株(成長株)を上回る可能性がある」とバンク・オブ・アメリカは述べている。 同行によると、株式市場で保有すべき価値の高いセクターとなるシナリオは三つあるという。 より広い収益成長 「過去10年間にわたる投資不足、低調な収益、インフレの始まりを経て、企業が効率性を重視することで、2025年までS&P 500企業の収益は拡大するはずだ」と同行は述べた。 つまり、収益の伸びや株価の上昇を牽引するのは巨大テック企業だけではないということだ。 「資本規律が新たに導入されたエネルギーや、バランスシートが強化され融資能力が向上した金融などの資本不足に悩むバリュー株は、収益成長が加速すれば報われるはずだ」とバンク・オブ・アメリカは述べている。 ハードランディングの場合 バリュー株が優れたパフォーマンスを発揮するもう一つのシナリオは、経済がハードランディングする場合だ。 そうなるとグロース株は急激に売られ、バリュー株の相対的なアウトパフォームにつながる可能性が高い。 バンク・オブ・アメリカは「株式への投資比率は過去最高水準に近づいており、景気後退の可能性が高まれば、株式から債券に資金をシフトする投資家は必然的にバリュー株よりもグロース株を多く売ることになるだろう」と述べている。 金利5%の世界 「長期にわたる高金利」の政策はバリュー株に恩恵をもたらし、すぐれたパフォーマンスを発揮するはずだという。 「アメリカのバリュー株は、グローバル化のピーク、テクノロジーのデフレ、人口動態の最適化、低い債務負担によって引き起こされた『2%の世界』の中断で、前例のない230%もの成長の後れを取っている。構造的に金利とインフレが上昇する世界は、バリュー株を後押しするはずだ」とバンク・オブ・アメリカは述べている。 同行は、金利その他のマクロ要因が平均値に戻ることが、バリュー株のグロース株に対する年率5%のアウトパフォームをサポートする可能性があると述べた。 伸びしろのあるバリュー株を活用しようとしている投資家に対し、同行は以下の4つのセクターのバリューETFに注目するよう勧めている。 公益事業 「公益事業(公益事業セレクト・セクターSPDRファンド:XLU、ファースト・トラスト公益事業アルファデックス・ファンド:FXU)はS&P500と比較して2009年以来最低水準の株価収益率で、ETF評価スコアが最も低い銘柄だ。公益事業はAIがその潜在能力を発揮するために必要な電力をコントロールしている」とバンク・オブ・アメリカは述べている。 エネルギー 「エネルギー(エネルギー・セレクト・セクターSPDRファンド:XLE、ヴァンエック石油サービスETF:OIH、グローバルX・MLP&エナジー・インフラストラクチャETF:MLPX)はセクターレベルでも業界レベルでも割安なものに選別される。エネルギー企業は、ひっ迫した市場と資本規律の導入から恩恵を受けるはずだ。サービスなどのエネルギー業界は、需要の増加から恩恵を受けるだろうし、MLPXはバランスシートの強さや、高利回り、供給が制限されている天然ガス市場へのアクセスを提供している」 銀行 「銀行(SPDR S&P銀行ETF:KBE、インベスコKBWバンクETF:KBWB)は今日、金融セクター全体よりも魅力的に見える。当行の北米銀行調査責任者のエブラヒム・プーナワラ(Ebrahim Poonawala)は、メガバンクの好調な業績が続くと予想しており、アメリカ連邦準備制度理事会(FRB)による金融緩和の確実性が高まれば、地方銀行も追い風を受けると考えている」とバンク・オブ・アメリカは述べている。 生活必需品 「生活必需品(iシェアーズ米国生活必需品ETF:IYK)は比較的割安に見えるが、これは最近の消費者行動に対する懸念を考えれば理解できる。スブラマニアンは必需品をアンダーウェイトとしているが、ハードランディングのシナリオでは、当行の株式アナリストは食品小売りの販促を強化する余地があると見ており、それが取引量の増加につながるはずだ」
Matthew Fox