<最高の花道へ―センバツ’22・東洋大姫路>支える人たち 練習をサポート 金子哲幸さん(52)=たつの市 /兵庫
◇監督の教え、次世代に 選手の成長頼もしく 「藤田監督に教えてもらったことを高校生に還元したい」。そんな思いで、会社員の仕事の傍ら、休日に高校生に野球を教えてきた。 龍野実業高3年の時、社会人野球の東芝府中で監督を務めていた藤田明彦監督(64)に誘われ、投手として入部。その後、野手に転向し、12年間所属した。藤田監督から「練習はうそをつかない」「ただやるだけではだめ。考えてやるんだ」「道具は大事に」――と繰り返し教えられた。「野球の技術はもちろん、人間としても大事なことを学んだ」と感謝する。 「藤田監督と出会って野球人生が延びた。自分のような地元の選手を応援したい」と太子町の部署に転勤後、高校生に野球を教え始めた。現在は相生高でコーチを務め、「自分と同じように長く野球をしたいと思ってほしい」と願い、指導を続けてきた。3月に同校を卒業する教え子4人が初めて、大学に進学後も野球を続けると言ってくれた。 藤田監督の3月末での退任を知ってからは、「恩返しをしたい」と東洋大姫路のグラウンドに来る回数を増やし、選手たちにノックや打撃をアドバイス。体が大きくなり、技術も向上していく選手たちを「甲子園に向けて成長している」と頼もしく感じている。「藤田監督の教え子の1人として、東洋大姫路のファンの一人として、甲子園でのプレーを見たい」と楽しみにしている。【後藤奈緒】 ◇ 3月18日に開幕する選抜高校野球大会に14年ぶりに出場する東洋大姫路。大舞台での古豪の活躍に期待を寄せ、野球部を支える人たちを紹介する。 〔神戸版〕