「離農者止まらず…」国内酪農家初の1万戸割れ 飼料代高騰などで新潟県内でも苦悩する生産者
新潟放送
国内の酪農家の数が飼料の高騰などを背景に今年初めて1万戸を下回りました。およそ半数が「離農を検討している」という調査結果もあり、新潟県内の酪農家も厳しい経営環境に苦悩しています。 【写真を見る】「離農者止まらず…」国内酪農家初の1万戸割れ 飼料代高騰などで新潟県内でも苦悩する生産者 柏崎市で乳牛およそ50頭を飼育する江部牧場です。 【江部牧場 江部広大さん】「餌代の部分がこの業界大半を占めるので、草がもうちょっと安くなってくれると、やっぱり酪農家さんももうちょっとやりやすい環境になるのかなと」 一番の悩みは餌である飼料代の高騰です。 江部牧場では飼料のうち7割ほどを輸入していて、飼料代は現在、月およそ350万円。 円安などの影響で以前より月およそ100万円上がったそうです。 そのため、海外産の飼料より安価な県内で作られる飼料を混ぜて対応していますが、簡単にすべての飼料を安価のものには替えられないそうです。 【江部牧場 江部広大さん】「安い餌をずっとただくれているだけだと、牛はお腹いっぱいにはなるけど、例えば繁殖がまわらないとか栄養が全然足りなくて乳も絞れないとかにつながるので」 このような飼料の高騰や生産コストの上昇を背景に全国の酪農家が離農しています。今年10月現在の国内の酪農家は9960戸と調査を始めた2005年以降、初めて1万戸を下回りました。 さらに中央酪農会議が行った調査では8割以上の酪農家が「現在の経営環境が悪い」と回答。またおよそ半数が「離農を検討している」としています。 【江部牧場 江部広大さん】「(飼料費が)上がった分だけ酪農家の手取りが下がるというか。その分、乳量を絞らなきゃ今の状況だとやっていけないというのが現状ですね」 飼料の高騰分を賄うには牛の乳量を多くしなければいけないところですが、県産牛乳の消費量は去年と比べておよそ4%減少と年々落ち込んでいるのが現状です。 こうした中… 花角知事と面会したのは県内の牛乳生産者でつくる県酪農業協同組合連合会です。 冬は、牛乳の消費量が落ち込む上、学校給食が休止になることから需要が減るということで、県産牛乳消費拡大への協力を県に求めました。
【県酪農業協同組合連合会 藤田毅代表】「新潟県もしかしたら全国で1位かもしれない離農率と非常に先が見えない状況にあって、冬場の消費が少しでもあがること、これを飲むことで県民の皆さんの健康が維持できればいいなと思っています」 今月からJAの直売所で生産者による直接PRも行うということです。
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