青森・つがるの「神武食堂」が100周年 4代目店主が元気に営業
JR木造(きづくり)駅前にある「神武(じんたけ)食堂」(つがる市木造宮崎、TEL 0173-42-3421)が11月、オープン100周年を迎えた。(弘前経済新聞) 【写真】小上がりスペースの壁に展示した企画「スーパーラブ♡神武食堂展」 現在4代目店主を務める神祥仁さんの曽祖父・竹二郎さんが1924(大正13)年11月の木造駅開業に合わせてオープンした同店。祥仁さんによると、オープン当初は主に駅利用客に向け、うどんや焼き魚などを提供していたという。その後、休日なしで営業を続け、時代と共に宴会需要に対応したり、通学生たちの自転車を預かるサービスを行ったりしてきた。 「創業当初は店名がなかった」(祥仁さん)とも。店名は、2代目店主の祖父・武男さんが自身の名前から取って「神武」と名付けた。祥仁さんが店を手伝うようになったのは1991(平成3)年ころ。東京の中華料理店で7年間働いていたが、3代目店主で父の武彦さんが体調を崩したことをきっかけにUターンした。 祥仁さんは「神武食堂で働き始めた当初は武彦さんとぶつかることもあったが、4代目店主として働き始め、次第に受け入れてもらえるようになった」と振り返る。現在看板メニューの「担々麺」は祥仁さんのアイデアで始めた。「(メニューに加えた)当時はまったく売れなかったが、味を改良し、提供をあきらめなかったことで現在は人気メニューになっている」と祥仁さん。 11月20日からは、100周年に合わせた展示イベント「スーパーラブ♡神武食堂展」を店内で開催している。企画は青森のイラストレーターでものづくりユニット「つらいデザイン」メンバーの豊川茅(ちえ)さん。豊川さんとは2019年に店のオリジナルTシャツを作ったことが縁で交流が続いているという。イベントは豊川さんからの提案で、地元の幼稚園園児たちを巻き込み企画。これまで100年間の営業エピソードや店主のイラストを小上がりの壁に展示するほか、園児による塗り絵を店の天井に展示している。2025年3月31日まで。 祥仁さんは「100周年を迎えたが、実感がない。100年の間には2度の火災にあったほか、配達途中に店主が交通事故にあったこともある。営業の危機は何度もあったが、その度に乗り越えてきた」と話す。 「3世代、4世代と通っていただいている人もいるが、亡くなってしまった人もたくさんいる。お客さまがいたからこそ100年続いた店。私自身が体を大事に健康第一で、今後も店を続けられるようにしていきたい」と意欲を見せる。 営業時間は11時~19時。火曜定休。
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