過疎化進む京都府宮津市を盛り上げる「夢会議」 ラジオでおなじみの落語家招いた寄席が人気
大江山連峰を望む京都府宮津市の上宮津地区には、美しい田園風景が広がる。豊かな自然を守り、過疎化の進む地域を盛り上げようと活動するのが、「上宮津21夢会議」だ。 会員は、住民を中心に約110人。「里山・里川」「杉山・大江山」「ものづくり」など、活動テーマごとに6部会に分かれる。職種は農業や自営業、民宿の経営などさまざまで、年齢も20代から90代まで幅広い。 2003年に発足して以来、取り組みは多岐にわたる。休耕田を活用したサツマイモ栽培やみそ作り、杉山の天然杉保全、林道の清掃など、里山の環境や風土を生かした地域づくりを進める。 中でも、住民が楽しみにしているのが、落語家を招く「かみやづ寄席」。16年から始まり、これまでにKBS京都の朝のラジオ番組でおなじみの笑福亭晃瓶さん、福知山市出身の桂三扇さんが伝統芸を披露した。 趣のある木造の公民館にちょうちんをつり、会場には手作りの高座を準備するなど細部にもこだわる。落語家たちも「雰囲気が良い」と驚くという。 近年は若手の会員も増えている。大阪府から夫婦で移住してきた陶芸家の秋鹿陽一さん(41)は「イベントで大勢の人を集めて『自分たちで何かやろう』という結束力を感じる。環境の保全などを今後も引き継いでいきたい」と話す。 発足時から携わる粉川正太郎代表(68)は「若い人には新しい発想で動いてもらえたら」と期待している。 ≪上宮津21夢会議≫ 2003年に発足。会員(約110人)のうち、各活動を主導する役員は22人。年会費は1人千円で、上宮津地区以外の人も加入できる。活動の問い合わせは事務局0772(22)2415。