背骨が折れていた子猫 ずっと動けないと思っていたのに…「立つ・歩く・走る」の奇跡が起きた
■背骨が折れていた子猫 はづきちゃん(3歳・オス)は、千葉県流山市で負傷しているところを発見され、センターに収容された。今でも下半身が麻痺している。 【写真】幸せと顔に書いてあるニャ 収容後、血尿が止まらないため、登録ボランティアさんが引き出して病院で診てもらった。レントゲンを撮ると背骨が折れていて、そのまま手術することになったそうだ。背骨が折れ、血尿がでているような状態でも、人馴れしていて、なでると前脚でフミフミしていたという。 手術は無事に終わり、経過を見てセンターに戻された。ただ、圧迫排尿が必要なので、センターが休みの土日はボランティア宅で過ごし、月曜日にセンター戻る日が続いていた。センターの譲渡会にも参加していたが、里親希望者は現れなかった。 ■悪臭漂う部屋 千葉県在住のももこさんは、ボランティアのインスタではづきくんを見た。 「人が大好きでそばに寄ってきてスリスリゴロゴロしているのに、17時過ぎから翌朝の9時までセンターにいるんだと思うと切なくなりました。我が家でお迎えしたいなと思い、圧迫排尿の動画を見てイメージトレーニングしました。その後、ボランティアさんの思いに動かされ、愛護センターにはづきをお迎えしたいと連絡。センターまで面会に行き里親になりたいと言いました」 2022年11月5日、ボランティアがはづきくんを家に連れてきてくれた。ボランティアは、センターの職員からの直筆メッセージをフードと共に持ってきてくれた。 「お見合いした時は初対面の私にもスリスリゴロゴロだったのに、シャーッと威嚇するし、便をしながら逃げ回るしで大変でした。オムツも付けられないし、圧迫排尿もできなかったので、お留守番の時は部屋中にタオルを敷き詰めていました」 留守番させて帰宅すると、部屋の中は公衆トイレの様な強烈な臭いがした。 「ドアを開けると、はづきが大量のおしっこをしながら飛び出してくるので大変でした。でも、だんだん圧迫排尿ができるようになり、はづきも慣れてくれたので短い期間でこの大変さは無くなりました」 ■歩けるようになった! はづきちゃんは、先住の猫たちと遊ぶようになったが、先住猫が走って逃げてしまうと追いかけられず、そこに留まっていた。 「その姿を見ているとかわいそうで。うちの子達と遊べるようになって欲しいと思います。地元のカフェでわんちゃんの整体をやっていたので、うちの子も問い合わせたのですが、オーナーから猫はやってないと断られました。でも諦めきれなくて、どこか施術を受けられるところはないか必死で探しました。」 ももこさんは、施術をしてくれるところを見つけて通った。 「車で月2回通うのは、はづきに負担がかかるので申し訳ないと思いながらも、1年経過しました。指先を巻き込んでの立ち上がりなので数分だけですが、立つ・歩く・走ることができるようになりました。どこまで回復するか分からないですが、夢は追いかけっこが出来る様になることです。」 はづきちゃんは、小さい猫が来るといつも一緒に遊んで、見守ってくれる。 「他の子達の毛づくろいもしてあげています。人のそばでスリスリゴロゴロする甘えん坊。みんなに優しいはづきです」 (まいどなニュース特約・渡辺 陽)
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