現時点で首相指名の働き掛けない、所得減税実現求める-国民・玉木氏
(ブルームバーグ): 国民民主党の玉木雄一郎代表は29日午前の定例会見で、特別国会の首相指名選挙への対応で自民党や立憲民主党から現時点で働き掛けはないとした上で、他党との協議を通じて所得税減税などの実現を求めていく考えを示した。
首相指名選挙の対応について、玉木氏は「現時点で自民からも立憲からも要請はない」と語り、1回目も決選投票も「玉木雄一郎と書く」とした。自民や立民、日本維新の会との政策協力について幹事長、国対委員長同士で情報交換をしているとの報告を受けているが、具体的に決まったことはないとも述べた。
今後の対応について「自公政権入りはない」とした上で、「欲しいのはポストではなく、手取りを増やす国民の懐を潤す経済政策の実現だ」と指摘した。特に基礎控除などを拡大して、所得税が発生する「年収の壁」を103万円から178万円に引き上げる減税は「看板政策」だと指摘し、実現を迫る考えを強調した。石破茂首相の進退については「自民党内の問題」とした。
国民民主は衆院選で議席数を4倍の28議席に増やし、自民・公明の連立与党、野党第1党の立民がいずれも衆院で過半数に満たない中で、「キャスチングボート」を握る立場にある。玉木氏は連立政権入りは否定しつつ、来年の参院選に向け、他党との協議を通じて自らの政策を実現していくことで支持拡大を図る構えを示した形だ。
4%弱の賃上げ
日本銀行の金融政策については「われわれから具体的に申し上げるべきではない」としながらも、「物価上昇率が2%なら、4%弱の賃上げが来年の春闘に向けて行われる見通しができた時には金融政策の見直しはしてもよい」との認識を示した。その上で、「実質賃金は8月でまたマイナスで重要な局面を迎えているので、今急激な政策変更はすべきではない」とも述べた。
石破首相は28日午後の会見で「党派を超えて優れた政策を取り入れていく、その中で検討したい」と、野党とも協議する考えを表明した。読売新聞は、石破氏が国民民主に対し、政策ごとに連携する「部分連合」を呼び掛ける方針を固めたと報じた。