スーパーなどの「障害者等用駐車スペース」を健常者が利用!?こういうのって「罰金」の対象にならないのでしょうか?
スーパーや高速道路のパーキングなどで見かける「障害者等用駐車スペース」は、車いすを使用している方が安全かつ円滑に乗降できるように設けられています。しかし「駐車場が混んでいる」「入り口から近くて便利」などの理由で健常者が利用するケースも見受けられます。 健常者が「障害者等用駐車スペース」に駐車した場合、罰金の対象とはならないのか疑問に思う方もいるでしょう。今回は、車を降りてからの移動が難しい歩行困難な方が活用できる制度についても調べてみました。
「障害者等用駐車スペース」とは?
公共施設や商業施設には、車いすを使用している方やほかの障がい者、高齢者などが利用しやすいように「障害者等用駐車スペース」が設けられています。 国土交通省の「道路の移動円滑化整備ガイドライン」によると、駐車場には「身体障害者が円滑に利用できる駐車の用に供する部分を設ける」旨が定められていて、これを「身体障害者用駐車施設」と呼んでいます。 車いす使用者は、車を乗降する際に広いスペースを必要としているため、車体用スペース幅2.1メートル程度に、高齢者・身体障がい者などが円滑に乗降可能な乗降用スペース幅1.4メートル以上を加えた、3.5メートル以上確保する必要があるとのことです。
「障害者等用駐車スペース」を健常者が利用する問題も!
「障害者等用駐車スペース」に健常者が駐車して、障がいのある方が駐車できずに困ってしまう問題が生じています。 総務省「車いす使用者用駐車施設の適切な利用の確保」でも、同様の相談が寄せられていることが記載されています。「健常者が車いす使用者用駐車施設に駐車することが放置されているので、罰金を科すなど対策を講じてほしい」との声もあるようです。 マナーや啓発活動では限界があるため、諸外国では罰則を導入しているケースもあります。 例えばアメリカのハワイ州では、障がい者用に交付されるカードを表示せずに障がい者用駐車スペースを利用する車に対して、最高500ドル(約7万4000円)の罰金が科せられるようです。 ※1ドル=148円で計算(2024年2月8日時点) 韓国でも、障がい者車両標章を表示せずに障がい者用駐車スペースに駐車すると、20万ウォン(約2万2000円)の罰金を科せられることが法律で定められています。 ※1ウォン=0.11円で計算(2024年2月8日時点) なお日本では、不適正な駐車の防止や障がい者が駐車場をより円滑に利用できるような取り組みが行われてはいますが、現状ではこれを違反として取り締まる法律は存在していません。 ■障がい者は「駐車禁止等除外標章(身体障害者等用)」の活用も検討できる 障がいなどを抱えて歩行困難な方は、駐車スペースを見つけて安全に移動することが難しい場合があります。車の乗降に適したスペースがあっても、そこが駐車禁止場所であれば、停車できないこともあるでしょう。そこで活用できるものが「駐車禁止等除外標章(身体障害者等用)」です。 これは歩行困難な方の自動車移動をサポートする制度で、「駐車禁止等除外標章(身体障害者等用)」の標章は警察署(交通課)で申請できます。この標章をフロントガラスの見やすい場所に掲示することで、駐車禁止の規制がある道路や時間制限駐車区間の枠内に駐車できます。