アニメ制作のIGポート、Netflix独占作品収入で事業売上3.4倍超 作品別の貢献内訳では「ハイキュー!!」強し
制作会社「Production I.G.」「WIT STUDIO」などを擁する株式会社IGポートは11日、6-8月期(2025年5月期第1四半期)決算を発表し、売上高は前年同期比79.6%増の44億7951万円、経常利益は同3.5%減の4億4302万円の増収減益だったことを報告した。 【画像】IPで稼ぐ企業に…IGポートの今後の作品ラインナップ・作品別売上構成比(関連資料より) 同社は映像作品の制作事業と、これらIPを活用した版権事業の両軸で展開を行っており、今回の大幅増収は後者の版権事業の伸長によるものとしている。 同社はNetflixにて独占配信を行った、リメイクアニメ作品『君に届け 3RD SEASON』の制作を100%自社出資で担当。今回、その配信に係るライセンス料金の収入が一括計上したことが大きく寄与し、版権事業の売上高は同345.6%増の20億5467万円を記録した。 決算開示にあわせて、当社は版権事業における作品別の売上構成比も公開しており、劇場版ヒットを記録した「ハイキュー!!」が28.1%と、次点の12.9%だった「怪獣8号」を大きく離しもっとも貢献した。次いで「進撃の巨人」「SPY×FAMILY」「攻殻機動隊」「PSYCHO-PASS」などが続いた。 一方で、映像制作事業では一部作品の制作期間長期化やCG制作費、クリエイターの外注費の高騰により大幅減益に。受注損失引当金を計上した結果、同事業は3億9479万円の営業損失を記録。雑誌「マッグガーデン」などを通じて自社オリジナルIPの展開を進める出版事業では、電子書籍の販売が前年同期に比べ減少し、売上高は同2.7%減の5億8698万円となった。 通期の連結業績予想については、7月12日に公表した内容から変更はなく、増収減益を見込む。
編集部 経済・社会担当