Aぇ! group、苦境を好機に変えてきた「Aぇらしさ」が生み出すデビュー後の夢と可能性
結成から5年。ついに5月15日、CDデビューを迎える。下積みが15年を超えるメンバーもいるなか、苦境を乗り越え、個性あふれる5人が挑む「新時代」とは──。AERA 2024年5月13日号より。 【写真】蜷川実花が撮った!AERAの表紙を飾ったAぇ! groupはこちら * * * 「デビュー前にドーム」を夢のひとつに掲げてきたAぇ! groupが、3月16日、大阪・京セラドームでデビューを発表した。「まさか叶うとは」と末澤誠也は振り返る。小島健によれば公演が「確定したのは1月」。草間リチャード敬太は「埋まるんかな、ってずっと言ってた」と明かす。13.5万人規模のライブツアー実績を持つが、「とはいえ、ドームって未知やから」と正門良規は言う。だが、そんな彼らの不安をよそに、2日間のべ10万人、最上階の端の端まで満席となった。 「ほんま、いろいろあるグループやけど、そのおかげでジュニア時代に京セラってなかなか異例なことをさせてもらえたり、Aぇ! groupらしいですね、この感じ」 佐野晶哉も言うとおり、結成、単独ライブ、デビューといったグループの節目ごとに大波に襲われたが、苦境をただ乗り越えるのではなく、好機に変えてきた。5人は「みんなのおかげ」と口を揃えるが、ファンや周囲の人々を惹きつけたことも含め、彼ら自身の魅力と実力だろう。
「Aぇらしい」と言う一方で、佐野は「Aぇ! groupってこれよね、っていうのがない」とも言う。「たぶん、5人の個性が、声もキャラクターも個性があるからやろうし、ジャンルにとらわれずに全部に挑戦していけると思ってもらえてるからやと思う」とは、楽曲についての発言ではあるが、グループそのものにも重なる。 デビュー後に挑戦したいことを問えば、「世界最大の音楽フェスに参加」(正門)、「男祭りしたい。男性だけの日と女性だけの日と」(末澤)、「アニソンのタイアップ。で、海外人気も狙う」(佐野)と見事にバラバラ。だがその場で「アメリカか。行きましょう」(草間)、「詳しく聞いていい?」(小島)、「サッカー系のアニメがいい」(末澤)と、話はあちこちぶつかりながらも広がり、いつのまにか「Aぇらしい」夢が積み上げられていく。 「Aぇらしさ」に弾力性があるからこそ、デビュー曲「《A》BEGINNING」の歌詞にもあるとおり、可能性は「∞(エターナル)」。「俺らから始」まる、「新しい未来」を見せてくれるだろう。(編集部・伏見美雪) ※AERA 2024年5月13日号
伏見美雪