半導体・電子デバイス子会社を移管するSMFLの狙い
三井住友ファイナンス&リース(SMFL)は中古半導体製造装置の売買や技術サービスを手がける半導体・電子デバイス関連事業で、新品装置の取り扱いを始めるほか、技術サービスも拡充する。10月に同事業を担う部署をSMFLから子会社のSMFLみらいパートナーズ(東京都千代田区)に移すことで、銀行法の制限をなくし事業幅を広げる。国内では官民による半導体関連投資が拡大しており、事業体制を整え商機をつかむ。 【一覧表】半導体装置メーカー10社の決算詳細 SMFLは半導体・電子デバイス関連事業を担う「電子デバイス設備部」をSMFLみらいパートナーズに10月1日付で移管する。銀行法の制限外に同事業を置くことで事業の幅を広げ、機動性も高める。 半導体製造装置の輸送・保管作業、用力撤去といった新たな周辺サービスを始める。現在、手がけるオーバーホールや改造、移設作業の請け負いなどを拡大する。 新品装置の取り扱いは早ければ2025年度にも始める。販売代理店やパーツ販売の展開も検討する。半導体製造装置のリース・ファイナンスは、SMFLと引き続き協力する。 中古半導体製造装置の売買は、SMFLの前身である住商リースが1994年に開始。これまでに国内外の大手半導体メーカーなどと取引しており、中古半導体製造装置の累計取り扱い台数は2万台を超える。 電子デバイス設備部は日本、韓国、台湾に拠点を構え、海外向け販売比率が約7割に上る。SMFLによると、同社の中古半導体製造装置の事業規模は業界上位という。 国内では半導体受託製造(ファウンドリー)世界大手の台湾積体電路製造(TSMC)、半導体メーカーのラピダス(東京都千代田区)などが新工場の建設を進め、政府も支援を強化している。 SMFLはこうした半導体工場の新設によって技術サービスの受注増を見込む。また、5―10年後に半導体製造装置を仕入れられるように、半導体メーカーとの関係を強化する考え。