『虎に翼』“美佐江さん”のその後が明らかに 桂場VS航一の尊属殺を巡る激しい押し問答も
美雪(片岡凜)は美佐江(片岡凜・2役)の娘だった
そして先述したように、美佐江の真相については、少年部を訪ねてきた和服の女性・並木佐江子(辻沢杏子)=美佐江の母から明かされることになる。つまりは美雪は美佐江の娘だったのだ。美佐江は美雪が3歳になった頃に車に轢かれて亡くなっている。美佐江が最期に残した言葉が記された手帳。そこには「美雪 愛してあげられなくてごめんね」と書かれ、以降は白紙のページが続く。突如、赤い腕飾りの栞が挟まれたページに絶句する寅子。そこには美佐江の文字でこう書き殴られていた。 「私は確かに特別だった 私が望めば全てが手に入った 全てが思い通りになった 盗みも身体を売らせることもできた けど、この東京で私はただの女にすぎず 掌で転がすはずが知らぬ間に転がされていた 次々に沸く予期せぬことに翻弄された 身籠れば 特別な何かになれるかと期待したが無駄だった 私の中に辛うじて残る 『特別な私』が消えぬうちに消えるしかない あの人を拒まなければ何か変わったのか? あの人は私を特別にしてくれたのだろうか?」 寅子の脳裏に浮かぶのは、あの日、優未(竹澤咲子)を美佐江から庇ってしまった時のこと。あと一歩だった。私のせいで。深い絶望に打ちひしがれる寅子。手を差し伸べられなかった後悔が寅子を向かわせるのは、次週予告にも映し出されている美佐江の娘・美雪のもとである。
渡辺彰浩