“0歳から120歳まで通える”おむすび専門店!週5でおむすびを無料配布、車椅子やベビーカーの移動もラクラク
「子供たちが“おむすび1個”食べられる状態を作りたい」という思いから、週5日に握りたてのおむすびを無料で配布。その試みは、店のお客さんや地元の人たちの“ある行動”によって支えられていた。
具材は50種類以上!車椅子やベビーカーも利用しやすい空間
愛知県半田市にある、おむすび専門店「おむすびカフェにこり」。店内で味わえる、おむすびの種類はなんと50種類!梅やしらす、昆布など定番の具はもちろん、キーマカレーや塩さばと甘酢生姜を合わせた“変わり種”など、お店ならではの具も人気を集めている。おむすびは、すべて“握りたて”。お店を営む森脇友里さんは「ランチがないという時でも、ここに来たら、いつでも“握りたて”のおむすびが食べられると思っていただけたら嬉しい」とおむすびへのこだわりを語る。米粉を使用した「ガトーショコラ」など体に優しいスイーツメニューにも注目だ。
おむすびだけでなく、店内の設計にも森脇さんのこだわりが満載。お店のコンセプトは、“0~120歳まで、どなたでも通える”こと。店内の通路やトイレ・個室の入り口は、ベビーカーや車椅子がゆとりをもって移動できるように幅広く設計。入店から席への着席、トイレの行き来など、店内をスムーズに移動することができる。
トイレは、子どもから高齢者までおむつ替えなどができる「ユニバーサールシート」を配置。個室もベビーカーや車椅子に人を乗せたまま入っても、ゆったり過ごせる広さが用意されている。
通常メニューを“嚥下食”に変えられるサービスも実施
幅広い人々が利用できるよう、様々な配慮が行き届いている店内。そこには、森脇さん自身の“実体験”が活かされていた。2児の母でもある森脇さん。小学1年生の7歳の息子・蒼葉くんには、脳に重度の障がいがあるという。生まれた当初は寝たきりの生活だったこともあり、「小さい頃はみんな一緒だった」と蒼葉くんと同年代の子供たちの様子を振り返る森脇さん。しかし、蒼葉くんが成長していくなかで、“あること”を感じる機会が増えたという。当時の様子について、「(蒼葉くんの)体が大きくなるにつれて、移動がしづらいな、お店って入りづらいなとか色んなことを考えるようになってしまった」と話す森脇さん。このカフェには、森脇さんが“蒼葉くんの母”として、“欲しかったもの”が反映されているのだ。