バスケ日本男子、司令塔の3ポイントで世界5位と劇的ドロー…28日合宿からNBA組も合流へ
◆バスケットボール男子 ▽強化試合(23日、札幌市・北海きたえーる) パリ五輪に向けた強化試合で、世界ランク26位の日本は、同5位のオーストラリアと95―95で引き分けた。延長戦の実施はなかった。先発した司令塔・河村勇輝(23)=横浜BC=が、20分35秒出場で最多28得点6アシストと躍動。第4クオーター(Q)終盤に圧巻の連続得点で同点に持ち込み、勝負どころでの存在感が光った。両チームともNBA組は不在で、オーストラリアは五輪候補も不在だった。五輪代表12人の選考も最終局面に突入。次は7月に“NBA組”も合流し、韓国(東京・有明アリーナ)と2試合を行う。 最後は圧巻の“河村劇場”だった。追う展開で迎えた第4Q残り2分18秒から、わずか約2分間で10得点。3点差の残り18・3秒には、一瞬の隙を生み出し、3点シュートを放って劇的同点弾を沈めてみせた。観客も総立ち。歓声はいつまでも鳴りやまなかった。95―95の引き分けに終わったが、トム・ホーバス監督(57)は「まあ、負けてない。一歩、一歩です」と受け止め。五輪まで約1か月、若手が頼もしい活躍ぶりを示した。 河村は1点差で敗れた22日の試合で「自分ができたことはほとんどなかった」と猛省。会見では指揮官から「ヘッドダウン(下を向く)してないですよね?」と聞かれ「もちろんです」と返答。この日はチーム最初の得点を決めるなど、持ち味の攻撃力でけん引。周囲を生かしつつ、28得点の大暴れに「河村っぽいじゃないですか」とホーバス監督も高評価。日本を動かす司令塔が、ギアを上げてきた。 28日から次の代表合宿が始まり、渡辺雄太(29)、八村塁(26)のNBA組も加わると、いよいよフルメンバーがそろう。「(2人が)合流するとなれば、負担を少しでも減らせるように」と河村。パリでの8強入りへ、間もなく最後のピースが加わる。(小林 玲花)
報知新聞社