豊昇龍、投げ封印でグイグイ前に出て1敗堅守 苦手だった同学年・琴勝峰戦も克服 体重増も好調の要因に【大相撲九州場所】
◇19日 大相撲九州場所10日目(福岡国際センター) 投げは封印した。豊昇龍は右下手を引くと、左から強烈なおっつけ。グイグイと前に出た。目の前で大の里に土がつくのを見ても「特に意識はしてない。自分は自分。自分のことだけ考えて」と集中力が際立った。同学年の琴勝峰を下し1敗を堅守。大関昇進後初の優勝へトップを走る。 苦手を一つ一つ克服している。琴勝峰には角界入り後は4連敗。5度目の対戦となった9月の秋場所で初勝利を手にしてからは2連勝だ。 勝てないことに悩んだときもあったが、「同級生(同学年)だしね、高校の時から対戦しているし。やるのは楽しみにしてました」と今は余裕がある。 好調の要因はもう一つ。夏場に体重が自己最高の150キロまで増えたこと。「場所中はいつも145キロぐらいだったんです。食って食って145キロまで太らすんだけど、どうしても場所中にやせていっちゃう。142キロぐらいまで」。150キロはなかなか手の届かない大台だった。 現在はそこからわずか1キロ減の149キロ。「頑張って食ってるんだけどね。1キロやせた。場所中はどんな力士でも体重が落ちますけどね」と、ここでも笑いながら話す余裕がある。その1キロ減に対しても貪欲で、「夜食も食ってますよ。卵かけご飯を1杯」と対策に抜かりはない。 優勝争いについては「特に意識はしてない。自分らしい相撲を取っていきたい」とだけ話した。八角理事長は「よく我慢したよね、投げないで。こういう相撲だな、豊昇龍は。安定感がある」。ひたむきな相撲に成長を感じ取っていた。
中日スポーツ