オリックス・山崎颯一郎、秋季キャンプでつかんだ復活へのヒント…左手の意識と逆転の発想
【球界ここだけの話】表情と言葉には自信がみなぎる。オリックス・山崎颯一郎投手(26)は11月の高知での秋季キャンプで確かな手応えを得た。 「今年のシーズン中よりもいい球がいっていたので、これは変わったなって思った。去年に近い(くらいの良い感覚)」 昨季は救援で自己最多の53試合に登板し、チームの3連覇にも貢献。今季も中継ぎの主力として期待されたが、上半身のコンディション不良などの影響で7試合の登板にとどまり、不完全燃焼の一年を過ごした。 9年目を迎える来季での挽回に向け、秋季キャンプでは自分と向き合った。岸田監督や投手コーチらによる熱心な指導も受けながら、ブルペンで投球練習に励んだ。その中である意識の変化によって投球が劇的に改善されるようになったという。 グラブをはめている左手の使い方を変え、壁を作るイメージで投げるようにしたことで「腕が勝手に(振れて球の力が)生まれるようになった」。あくまで自身の感覚であることを前置きしつつ「歯車がかみ合って、駄目だったところが一つ(の変化)で全部変わるみたいな感じ」とうなずいた。 同キャンプではうまく球に力を伝えるコツをつかんだだけではなかった。曲げることばかりに気をとられていた変化球も、意識を変えたことですぐに好転した。 以前からブルペンで捕手に「全然曲がっていない」と冗談半分で言われていたスライダーとフォークの呼び方を、曲がり幅が小さい球種であるカットボールとスプリットにそれぞれ言い換えるようにしたことで「気持ちが楽になった」という。握りや投げ方に手を加えていないが、邪念が取り払われ、制球することだけに集中することができるようになった。また「変化の小さいスライダー」から「よく曲がるカットボール」になったことで「(捕手目線で見れば)全部が『ナイスボール』になるんですよ」と笑った。逆転の発想によって生まれた変化が復活へのヒント。「気持ち次第で変わるんだと気付いた」と実感を込めた。 「結局は結果なので。結果を出せればいい」
もう一度、1軍の舞台で輝く。オリ姫が選ぶ推しメン(オリメン)投票で2年連続1位を獲得した最速160キロの剛腕の復活した姿を誰もが待ち望んでいる。(織原祥平)