年金なしで「95歳まで生きるのに必要な金額」を試算。平均支出額から逆算すると?
厚生労働省が2023年12月8日に公表した「毎月勤労統計調査」によると、最新の実質賃金は前年同月比2.3%となりました。 【写真で見る】老後に必要なお金を貯めたい。2024年開始の新NISAとは? 現金給与総額は27万9172 円で1.5%増ですが、それを上回る勢いで物価が上昇していることになります。 公的年金でも情勢に合わせて毎年改定がありますが、実質的な年金額は目減りしている現状です。 公的年金だけで老後の生活をするのは現実的に厳しい状況となっていますが、もし年金なしで老後を生き抜くには、いくら必要なのでしょうか。 今回は、95歳までの生活資金がいくらになるのか、解説します。 ※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
高齢者の生活費はいくら?
総務省統計局が2023年2月7日に公表した家計調査によると、60歳代以降の無職世帯でかかっている1ヵ月あたりの生活費は、以下の通りです。 ・60~64歳:28万7126円 ・65~69歳:28万10円 ・70~74歳:24万9589円 ・75~79歳:23万3602円 ・80~84歳:21万7841円 ・85歳以上:20万149円 単身世帯は、以下の通りです。 ・60歳以上:年間180万4905円(1ヵ月あたり約15万円) ・65歳以上:年間179万493円(1ヵ月あたり約15万円) 単身世帯の生活費は、約15万円でした。 では、95歳までに生活費がいくらかかるのか計算しましょう。
95歳までの生活費まとめ
95歳までの生活費を、2人以上の世帯と、単身世帯に分けて計算します。 それぞれのケースで、95歳までいくら生活費がかかるのか確認してください。 ●2人以上の世帯 2人以上の世帯における生活費の計算式は、以下の通りです。 ・60~64歳:28万7126円×12ヵ月×5年=1722万7560円 ・65~69歳:28万10円×12ヵ月×5年=1680万600円 ・70~74歳:24万9589円×12ヵ月×5年=1497万5340円 ・75~79歳:23万3602円×12ヵ月×5年=1401万6120円 ・80~84歳:21万7841円×12ヵ月×5年=1307万460円 ・85歳以上:20万149円×12ヵ月×10年=2401万7880円 各年代の生活費を合計すると、約1億円になりました。 ●単身世帯 単身世帯における生活費の計算式は、以下の通りです。 ・60歳以上:年間180万4905円×5年=902万4525円 ・65歳以上:年間179万493円×30年=5371万4790円 各年代の生活費を合計すると、単身世帯では約6300万円になりました。 以上から、年金を使わず生活するためには、2人世帯で1億円、単身世帯だと6300万円は最低でも用意しておく必要があります。 物価変動を考慮していないので、物価が上がる前提で考えると、用意しておくべき資金はより高くなるでしょう。 では、長生きのリスクにどのように備えればよいのか解説します。