北海道地震の被災地 台風25号による強風、大雨のおそれ
9月6日の北海道胆振東部地震(M6.7)発生からほぼ1か月がたった5日朝、大きな被害を受けた北海道厚真町、むかわ町などが震度5弱の強い揺れに見舞われた。最近1週間(9月29日~10月5日)だけを見ても、朝の地震を含めて最大震度4以上の地震が3回発生するなど、この地域の地震活動は依然として活発で、気を抜けない状態だ。さらに今週末には、台風25号が北海道に近づく予想も出ており、気象庁が警戒を呼び掛けている。 北海道地震から1週間 活断層「石狩低地東縁断層帯」との関係は?
気象庁「家具の固定など地震の備えの再度確認を」
気象庁によると、5日朝の地震は北海道胆振東部地震の一連の活動の一つ。地震の規模はM5.2で、震源の深さは31キロ。東西方向から押される力によって起きた逆断層型の地震だという。一連の地震活動で、最大震度5弱の地震が発生したのは最初の地震の日以来2度目となる。ただ、今回の地震で、活動が再度活発化したわけではなさそうだ。 地震発生を受け、記者会見した気象庁の松森敏幸・地震津波監視課長は「地震発生数は緩やかに減少しているが、このような地震活動は当分続く。今回のように、時折ビクッとするような地震があることも考えられる。家具を固定する、落ちやすいところに物を置かないなど、日頃の地震の備えを再度確認してほしい」と呼びかけたうえで、「北海道胆振東部地震との関係や影響は分からないが、近くに活断層である石狩低地東縁断層帯があることも気に留めてほしい」と話した。
片付け進まぬ建物が台風で被害のおそれも
被災地で、もう一つ警戒すべきなのが台風25号だ。 大型で強い勢力の台風25号は5日午後2時現在、長崎県五島市の南西約500キロの海上を北に進んでいる。中心気圧は965ヘクトパスカルで、中心付近の最大風速は35メートル。今後、日本海を北上し、北海道方面にも近づくと予想されており、これに伴い6~7日にかけては前線の影響と台風本体の雨雲の接近で非常に強い風を伴う大雨になるおそれがあるという。 北海道胆振東部地震の被災地では、最大震度7という強い揺れによって家屋が倒壊したり、倒壊までにはいたらなくても強度が低下している建物が残る。また、思うように復旧が進んでいないところも多い。朝の地震発生を受けて、記者会見した松森敏幸地震津波監視課長は「すでに片付けられた場所なら良いが、片付けが進んでいないところは台風による強い風で、瓦など家の一部が飛ぶことも考えられる」として、いつも以上に警戒するよう呼び掛けた。 (取材・文/飯田和樹)