【薬剤師に聞く】糖尿病治療のための「経口血糖降下薬」 の種類・特徴・服用時の注意点は?
糖尿病治療薬服用時の注意点を解説 副作用の症状は?
編集部: 糖尿病の薬で気を付けることはありますか? 増田さん: 先ほど挙げた各薬の使い方に気を付けてもらうことと、食前と食後で飲むものがあるので、しっかり分けて使うことです。 編集部: 飲むタイミングを間違えてしまうと、何か影響はありますか? 増田さん: はい。血糖値を下げる目的の薬を食前に使うと、低血糖などのリスクがあります。また、「αグルコシダーゼ阻害薬」のように糖の吸収を抑えるものは、前もって薬を飲んでおかないと糖が吸収されてしまいます。 編集部: 薬を服用することによる副作用の可能性はありますか? 増田さん: 例えば細胞・組織への糖の吸収を促進する作用がある薬を使うと、血糖値が下がりすぎて動悸、ふらつきなどが現れます。 「αグルコシダーゼ阻害薬」のように糖の吸収を遅らせる薬の場合は、腸内細菌が糖を利用して活発になるので、おなかの張りや下痢をしやすくなります。 目に見えた副作用は必ずしも起こるわけではありませんので、主作用と副作用を天秤にかけて薬の使用を考えましょう。 編集部: 最後に、読者へのメッセージをお願いします。 増田さん: 糖尿病は生活習慣病の代表例です。また、糖尿病の合併症はなるべく避けるためにも、薬での治療と食生活の改善が必要不可欠です。まずは健康診断・血液検査で早期発見を心がけ、薬が処方されたら病気と薬の理解に努めましょう。
編集部まとめ
糖尿病は初期段階ではなかなか気づくことができず、放っておくと重度の合併症に繋がる可能性のある怖い病気です。決して甘く見ることなく、定期健診を受けることや生活習慣を見直して予防・治療していくことが大切です。罹患した場合は、糖尿病に詳しい内科を受診して医師に相談しましょう。また、受診の際には、質問などをまとめたメモを持っていくと問診がスムーズに進められるそうです。参考にしてみてください。
【この記事の監修薬剤師】 増田 衛二 さん(薬剤師) 大手調剤薬局にてラウンダー薬剤師としての勤務の傍ら、フリーランス薬剤師で人手不足に困っている薬局の協力や、健康情報サイト「健康の泉(URL:https://scmedi-navi.com/)」を運営。一般の方にとって、健康情報を探し理解するハードルは高いと考え、ネットを介して健康情報を分かりやすく解説し、実際に病気に罹患した方から情報を得てその情報を共有して病識と薬識を高める地域医療活動をする。
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