童謡詩人・佐藤義美の全集未掲載作品見つかる 新たに曲を付け竹田市民らが合唱披露へ
来年1月に生誕120年を迎える大分県竹田市出身の童謡詩人・童話作家佐藤義美の全集未掲載の詩「あおいとり メーテルリンク」が見つかり、曲が付けられた。今月29日から市文化振興財団主催の「グランツ合唱塾」で市民らが練習し、来年1月26日の「みんなのたけた童謡祭」で披露する。 義美は1905年1月20日、市内で生まれた。20年に横浜市に転居し、童謡や詩を書き始めた。60年に代表作「アイスクリームの歌」「いぬのおまわりさん」を発表。68年にこの世を去った。 節目を記念した童謡祭に向け、同財団スタッフが新たな合唱曲の制作を発案。今年3月、相談を受けた佐藤義美記念館(市内竹田)の稙田誠さん(44)が収蔵庫を探したところ、資料を収めた箱から全集に収録されていない「あおいとり~」の直筆原稿を見つけた。40~50代のころに書かれた可能性があるという。 モーリス・メーテルリンク原作の物語「青い鳥」を基にし、「幸せとは何か」を考えさせる内容。「大人から子どもまで幅広い世代に響くのでは」と他の詩も含め、財団側に提案した。「故郷から特別な歌を通じて彼の業績を発信し、理解を深めてもらうきっかけになれば」と稙田さん。 「あおいとり~」とともに、「おぼえてる」「つゆの 日のうた」にも作曲家でピアニストの森田花央里さんが新たに曲を付ける。 同財団の担当者伊達奈都紀さん(47)は「年齢を問わず永く歌い継いでほしい」と話した。 同財団は合唱塾の参加者を募集している。練習は29日~来年1月21日までの全10回。午後7時から2時間。参加費は一般3千円、中高生千円。申し込みは同財団(0974-63-4837)。