「スリムクラブ」真栄田 人生変えたM-1で相方がくれた言葉
先月22日から「M-1グランプリ2017」のエントリーが始まり、今年もまた日本一の称号をかけたアツい戦いが繰り広げられます。「M-1」をきっかけに飛躍した代表的なコンビが「スリムクラブ」。「M-1グランプリ2010」で準優勝し、独特のテンポと味わいで注目を集めました。「本当に『M-1』で人生が変わりました」と話す真栄田賢さん(41)ですが、ともに歩み続けた相方・内間政成さんへの特別な思いをストレートに語りました。 「雨上がり」宮迫博之、土下座して引き留めた女性マネジャーへの恩
もともとは同じ大学(琉球大学)の先輩と後輩だったんです。僕が先輩で、普通に仲は良かったんですけど、あくまでも先輩・後輩の関係。ただ、その中で、強烈な経験をしまして。それが、後々まで大きく影響してくるんですけど、衝撃でした。 大学の帰り、二人で歩いてたんですけど、ナニな話、たまたま道にゲロがあったんです。これがね、さらにナニな話なんですけど、見事なまでに一色だけのゲロでして。それを内間がしげしげと見て言ったんです。「真栄田さん、この人、一品しか食べてないですね」。この上なくシンプルだけど、それでいてオリジナリティーがある。すごいなと…。 その後、僕も沖縄でラジオに出たり芸人的な活動をするんですけど、内間が東京に行って吉本興業の養成所に入ったと。それをきっかけに僕も東京に行って、内間とコンビを組むことにしたんです。大学時代、仲良くはしているし、何と言っても本当に優しいヤツだし、大好きだし、ただ、言っても、先輩と後輩の関係だし、そこまで毎日べったりいるということでもなかった。 でも、東京に行って吉本に入った内間とコンビを組めば、自分も吉本に入ることができるんじゃないかという、実に不埒(ふらち)な動機ではあったんですけどね(笑)。コンビを組んだのは。先に行列に並んでいる友達のところに、サッと横入りするみたいな。最初はそんな感じで組んだんです。
そこからはコンビですから、二人の関係性がグッと近くなるというか、深くなるというか。今までの仲良しの先輩・後輩では見えなかったところまで見えてきました。 というのは、内間は本当に自分に自信がないんです。飲み屋とかで内間と話しているのは、すごく楽しいんです。優しいし、しゃべり方もゆっくりして独特だし。でも、内間は自信がないから、舞台に出ると、すぐに「自分じゃダメだ…」って思って“誰かになろう”としちゃうんです。 例えば「ダウンタウン」の浜田さんみたいに強くつっこんでみたり、「フットボールアワー」の後藤さんみたいに技術的にうまいこと言おうとしてみたり、「キングコング」の西野さんみたいにスピーディーにやってみたり…。また、それを急に本番でやりにかかる。 日ごろから、ずっと、ずっと、言ってるんです。「お前は、お前でいいんだよ。いつもの内間でいいんだし、それが何よりの味だから。飲みに行っても、みんな笑うだろ?だから、そのままでいいんだよ。お前本来の、ゆっくりした、そして、優しいしゃべり方でいいんだよ」って。 本番になると、誰かになっちゃう。自信がないから、既存の成功例に乗っかっていこうとしちゃうんです。でも、僕は普段の内間が面白いと思っているので、その内間を想定したネタを書いているので、急に“変身”されちゃうと内容と合わないのでウケなくなるんです。