182cmの長~いリーチ、愛称は「教授」、ルーキーで開幕投手に抜擢も…プロ3年目で覚醒の予感 日ハム“次世代エース”北山亘基25歳とは何者か?
今季、綺羅星のごとく若手が台頭を続ける日本ハム。投手陣からも3年目の北山亘基が4月にプロ初完封を見せるなど覚醒しつつある。次世代エースの片鱗を見せる大器だが、その背景にはどんなキャリアがあったのだろうか。《全2回の1回目/つづきを読む》 【写真】「えっ、何頭身なの…?」182cmの“教授”こと北山亘基(25歳)の「グラブが膝につきそう」な長~い手足とスリムなフィジカル。試合での迫力の投球模様に、新庄監督の激レアカットも…この記事の写真を見る 日本ハム投手・北山亘基。 今季プロ3年目にして、日本ハム投手陣の先発ローテーションの一角に、確かな立ち位置を構築した快速右腕だ。5月には一時不調に陥り二軍落ちも経験したが、早々に一軍へと帰ってくると、3週間ぶりの先発となった交流戦で広島相手に5回無失点の好投で4勝目。次世代エースの立場を確かなものにしつつある。 「日本ハムの北山って、どんなピッチャーだったの?」 業界の人からさえもしばしば問われるぐらいだから、世間的にはもっとあいまいなのだろう。 京都産業大での4年間、北山投手と共に「上質な時間を過ごした」という勝村法彦監督(当時)に、いろいろ教えていただいた。
日本中がビックリ「ドラ8ルーキーが開幕投手」
いかにも「京都の人」らしい柔和な物腰。勝村氏は、たとえば、老舗の呉服問屋の大旦那さんのような雰囲気を漂わせるナイス・ミドルである。 2021年の秋のリーグ戦を最後に、20年続けた監督を退いたが、今でもまだまだ「現場の方」の雰囲気が漂う。 「いろんな方に育てていただいて、おかげさまで、ちょっとはお役に立ててるみたいで、ほんまにもう、ありがたいやら嬉しいやら」 自己実現が続く教え子の活躍に、声が弾む。 「大学4年間……いえ、高校からだったら、5年、6年見てきて、私なりに『やれる! 』という確信を持って送り出した選手ですから、やっぱり嬉しいですね。新庄監督に1年目から使っていただいて。ただ、あの『開幕投手』っていうのだけは、私もビックリでしたけど(笑)」 そう、「あれ」には勝村さんだけじゃない、日本ハムファンも、おそらく相手チームも、いやきっと日本中の野球ファンが驚いたはずだ。 2022年3月25日、ペナントレースの開幕戦を迎えた新庄・ファイターズはソフトバンクを相手に、なんとルーキー右腕・北山亘基を「開幕投手」に押し立ててきた。 先発の2イニングを2安打1三振3四球。塁上に走者をにぎわわせたものの無失点に切り抜けた北山亘基。 それ以降のペナントレースでは、主にリリーフ陣の一角として55試合に登板し、3勝5敗9セーブ16ホールド。ほぼ3試合に一度は緊迫のマウンドに上りながら、51.1イニングで58三振を奪って防御率3.51。新人王受賞でもよかったほどの、内容のあり過ぎるほどの「ルーキーイヤー」となった。 さらに2年目の昨季(2023年)はシーズン途中から先発ローテーションに転ずると、11試合に先発して66イニングを投げ、6勝5敗・防御率3.41。前年、ストッパーとして奮戦した時と、ほぼ同じ防御率は驚きだった。 調整法も、心身のコンディションのあり方も、実戦でマウンドに上がるタイミングも投球数も、さらには球場の雰囲気も、すべてが真逆の2つの役割をコンスタントにやってのけたのだから、彼の投手としての非凡な能力の一端が、はっきり現れていたと言ってよい。
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