前田幸長、星野仙一の「いつまでもロッテの野球やってんじゃねぇ!」で躍進 桑田真澄「Play Hard Work Hard」の実践エピソードも<ダグアウト!!!>
10月31日に放送された野球トークバラエティ「ダグアウト!!!」(毎週木曜夜10:00-11:00、BSJapanext<263ch>)。今回のゲストは、現役時代スーパークイックとナックルを武器に活躍した前田幸長。そして、ノールック投法で日本のみならずメジャーでも活躍した岡島秀樹だ。 【動画】星野仙一による異次元の“鉄拳制裁”、前田幸長と片岡篤史が語るエピソード ■前田に“殴られんばかりの勢い”で喝を入れたのはあの人 番組の人気コーナー「ダグアウト!!!球界相関図」では、ゲストの人間関係を深掘りしていく企画。キーワードにあわせて思いつく人名を挙げていき、相関図を作っていく。最初のキーワード「自分を変えてくれた人」について前田が名前を挙げたのは、名監督として名高い星野仙一。星野は前田が中日ドラゴンズに所属していたときの監督で、監督通算1181勝を成し遂げた経歴を持つ。 前田は1995年に千葉ロッテマリーンズから中日へ移籍。ロッテ時代には金田正一監督の元でプレーをしていた。MCのますだおかだ・岡田圭右は金田のことを“カネやん”と呼びながら「“エラい監督”やな~思って、はぁ~もうやれやれと次に行ったら星野さん」と前田の気持ちを代弁。笑うとともに、前田も星野のインパクトを「強烈でした」と語る。 “カネやん”こと金田で鍛えられて免疫はあったのではと岡田に尋ねられると、星野と金田は違うタイプだと答える前田。前田は若き現役時代を「エイヤッ」と投げてバラついたボールで結果を出していたと振り返る。しかしそれが通用しなくなって成績を落とすと、トレードで中日へ移籍した。 しかし中日でもバラついたボールで試合に挑み、ホームランを打たれるようになってしまった前田。すると星野から、「いつまでもロッテの野球やってんじゃねぇ!」と“殴られんばかりの勢い”で言われたという。 もちろんすかさず「殴られてはいないですけど」と付け加える前田に、スタジオは大きな笑いに包まれる。岡田は「言わなくていい」「念を押されると勘ぐってしまうんで」とツッコミを入れるひと幕も。 前田に“いままでのピッチングだと通用しない”ことを伝えてくれた星野。そこで自分から、何を身につければいいのかを星野に聞きに行ったそうだ。すると星野は「全部の球種でストライクを取れるようになれ。その技術を身につけろ」とアドバイス。なかなかハードルの高い要求だが、前田は「身につきましたね」とドヤ顔を見せた。 ただ身につけるための努力は欠かさず、まずはキャッチボールから始めたという。自分の体をどう動かしたらボールはここに行って、曲がり球はどこで離す…といった研究の日々。研究の成果もあってフォアボールは激減し、バッターをうまくコンビネーションで抑えられるようになる。 “勢い”ではなく技術的なコントロールや体の動かし方で抑えられるようになり、野球選手としての寿命を伸ばすことができたと当時を振り返った。 ■「Play Hard Work Hard」の姿勢を見て学んだ岡島 続いて岡島が「自分を変えてくれた人」で名前を挙げたのは、伝説の投手・桑田真澄だ。岡島が振り返るのは、若手時代の秋のキャンプでのできごと。岡島は怪我のリハビリや調整を兼ねて参加していた桑田と2人部屋になった。その際に桑田が1枚の写真を見せてくれたという。 自主トレでオーストラリアにいったときの写真を見せながら、「オカジ、お前も来年来るか?」と言ってくれた。それをきっかけに、岡島は桑田との付き合いが始まったのだとか。 また桑田は「Play Hard Work Hard」という言葉をよく口に出していたという。野球や仕事だけでなく、遊ぶときもしっかり遊べという考え方だ。桑田はワイン好きということもあり、自主トレ中だけでなくシーズン中にもベロベロに酔うことがあった。しかし次の日には朝早くから練習に参加していたのだとか。遊んだ分、しっかり仕事をしようという考え方は、とても勉強になったという。 岡島は桑田の自主トレについて「メニューがあるわけじゃない。自分で考えてやりましょう」という感じの“アメリカ思考”と語る。その話を聞いた桑田と個人的に交流のあるMC・上重聡は、「シゲ、車はな真っ直ぐ行くためにも、ハンドルに遊びが必要だろ」とよく言われたと振り返る。 ちなみに続けて「縁が大事だよ。ドルじゃないよ。日本だからやっぱり円が大事だよ」という“縁と円”をかけたダジャレも飛び出したと明かす。岡島からも「(桑田は)ダジャレは好きですね」とフォローが入るなど、意外な一面が明らかになった。 ■選手に大切なことを教えてくれたレジェンドたち 「いつまでもロッテの野球やってんじゃねぇ!」という言葉は強烈だが、「全部の球種でストライクを取れるようになれ」と続くアツさはまさしく星野節。多くの人を惹きつけた名将の強みを改めて見せつけられた形だ。 また今回は星野だけでなく、岡島が桑田とのエピソードも語ってくれるなどレジェンドの名前が頻出した。桑田のワイン好きはよく知られているが、実際に身内から「ベロベロになるまで酔っても練習はしっかりこなしていた」と聞けるのは貴重。天才ではなく努力で培った実力なのだと、改めて感激させられる。 現役時代のレジェンドの言動がきっかけとなり、飛躍していった野球選手は前田や岡島だけではないはずだ。これからの放送回でも、野球選手それぞれの躍進のきっかけを聞けることを楽しみにしていきたい。