『グレイトギフト』反町隆史はまるで“スーパーマン” 「真犯人編」突入で藤巻も“覚醒”か
ドラマ『グレイトギフト』(テレビ朝日系)が第6話で「逆襲編」に突入。後述する第7話「真犯人編」へと物語を接続する、新たな展開を迎える回だ。 【写真】やっぱり真犯人の有力候補? 波瑠が演じる久留米 「新たなステージに入ります」と藤巻(反町隆史)に告げる白鳥(佐々木蔵之介)。彼は“闇の皇帝”として裏切ったように見せていた郡司(津田健次郎)、「アルカナム」のオーナー杏梨(倉科カナ)、本坊(筒井道隆)、さらに久留米(波瑠)までをもチームとして掌握。 白鳥は医学系大学連合会議の議長選で勝つための裏金を作るため、杏梨が持つ闇ルートでギフトを売り捌こうとしていた。 「逆襲編」とは、白鳥に反旗を翻す藤巻のことを表している。これまでは妻の麻帆(明日海りお)の命を握られていたが、その麻帆にまで郡司との不倫という形で裏切られたことにより、藤巻は“人質”から解放された。第5話に引き続き、離婚届による自暴自棄に陥りながらも、藤巻は自らの意志で「ギフト」を作ると宣言。藤巻は白鳥らの莫大な資金調達に手を貸すように見せながら、その裏では久留米、そして元刑事の神林育人(尾上松也)と手を組み、白鳥の逮捕へと計画を進めていた。 愛宕(山田明郷)元総理や奥野(坂東彌十郎)元理事長ら11人もの命を「急性心不全」として奪ってきた「ギフト」の存在と白鳥の悪事、つまりは事件の全貌を警視庁捜査一課に通じている神林に密告する藤巻の覚悟にも驚愕だが、それ以上に単身で理事長室に乗り込んでいく、まるで人が変わった藤巻の姿にただ驚かされる。 藤巻と久留米が裏切ることのないよう、研究室に盗聴器を仕掛けていた白鳥。麻帆の件もあり、人間不信に陥っている藤巻は白鳥に声を荒げる。“ボンクラ”である自分を罠にはめ、警察に突き出すつもりだと。「とぼけるな! 俺の目を見ろ!」と白鳥に向かって吠える藤巻。 『グレイトギフト』がスタートしてからというもの、ソフトバンクのCMで反町隆史の声が聞こえてくるたびにピクッと反応してしまうようになった。だが、それと同時にこれは反町だなとも感じるのだ。何が言いたいのかというと、あの覇気のない、どことなくボソボソ声こそが藤巻であると思っていたが、それでいて今回のような声を張ったセリフでもなお藤巻であり続けるのは、反町の藤巻としての演技もまたさらなるフェーズに入っていると言えるのではないか。 「戦うしかありません。『ギフト』でやりあいましょう」と同じ目線から宣戦布告する藤巻の姿は、悪に立ち向かっていく正義。理事長室を出て、久留米の姿を見るなり、いつものおどおどとした藤巻に戻るところも含めて、スーパーマンのようでもある。 藤巻、久留米、神林は、アルカナムで行われる「ギフト」の闇取引の現場で、白鳥に「ギフト」による殺人を証言させ、その場で現行犯逮捕しようと計画する。「殺してください」という白鳥の命令に、藤巻は勝利を確信するが、あろうことか神林も白鳥の支配下に置かれていた。あれだけ威勢を張っていた藤巻に対し、「お前は一生私には勝てない」と小声で囁く白鳥との対比。神林に裏切られてもなお“友達”として手を差し伸べようとする藤巻はやはりヒーローなのかもしれない。 警察内部に繋がる力まで手に入れた白鳥にもはや弱点はない。いっそ殺してくれと、藤巻は研究室に仕掛けられていたもう一つの盗聴器の存在を白鳥に告げるが、それは別の人物が仕掛けたものだった。その時、藤巻のスマホが「非通知」で鳴る。 「アルカナムでの『ギフト』の販売を即刻中止してください。従わなければ病院内の患者に『ギフト』を送ります。これは脅しではありません。私は『ギフト』の創造者です」 かかってきたのは愛宕を「ギフト」で殺した、真犯人。創造者であることを証明するため、真犯人はすでに601号室の患者を「ギフト」で殺害していた。ここで新たに登場するのが「オクトセブン」というワード。「ギフト」が改良されたものなのか、真犯人による「ギフト」の呼び名なのかは定かではないが、冒頭で先述したように次回は「真犯人編」へ。予告では久留米に真犯人の疑いがかけられており、今では藤巻が唯一信じられる人物となっている彼女にまで裏切られる展開となってしまうのだろうか。
渡辺彰浩