起訴された鹿児島県警の前生活安全部長が保釈 野川本部長は“隠ぺい”改めて否定
鹿児島読売テレビ
5月、職務上知り得た秘密を漏らしたとして逮捕された県警の前の生活安全部長が21日、国家公務員法違反の罪で起訴されました。事件を巡っては前の生活安全部長が野川明輝本部長を名指しし、「隠ぺいを指示した」と主張していますが、野川本部長は21日の記者会見で改めて隠ぺいの指示を否定しました。 起訴されたのは県警の前の生活安全部長で鹿児島市紫原の本田尚志被告(60)です。 起訴状などによりますと、本田被告は退職後の2024年3月、警察官によるストーカー規制法違反事件の捜査の経過や被害者の氏名などが記載された書面を北海道の記者に郵送し、職務上知り得た秘密を漏らしたとされています。 本田被告は逮捕後の6月5日、勾留理由開示請求を行い、法廷で容疑を認めた上で、「県警職員が行った犯罪行為を野川明輝本部長が隠ぺいしようとしたことが許せなかった」と主張。これに対し、野川本部長は「隠ぺいを指示したことは一切ない」と否定していました。 本田被告の起訴後、県警は会見を開き、野川本部長は改めて隠ぺいを否定しました。 (野川明輝本部長) 「事件発生時において前生活安全部長が主張するような私が隠ぺいを指示したという事実はない」 本田被告は法廷で2023年12月、枕崎市で起きた警察官によるトイレでの盗撮事件について、野川本部長が「最後のチャンスをやろう」「泳がせよう」と言って捜査指揮簿に判を押さなかったと述べていました。これについて野川本部長は隠ぺい行為や発言については否定した一方、捜査状況の確認不足があったと、謝罪しました。 (野川明輝本部長) 「捜査状況などについて報告を受けておらず、自ら確認もしていなかった。きめ細かい確認を行ってそれに応じた指示をしていればより早期に被疑者を検挙できた可能性があったのではないかと反省をしている」 県警を巡る一連の問題を受け、警察庁は24日から当面の間、特別監察を実施するということです。 そして、午後6時15分ごろ、本田被告の保釈が認められました。 尚、本田被告の起訴を受け、代理人弁護士は「今回、本田さんが起訴となり、 大変残念です。裁判の場において、主張を適切に行って参りたいと思います。本田さんが主張した県警の隠蔽行為については、その真相が解明されることを願っています」とコメントしています。