センバツ2023 龍谷大平安に春(その2止) 最多の夢、咲いた /京都
昨秋の府大会は試合運びが今一つ安定せず、準決勝で京都国際にコールド負けを喫した。3位決定戦では延長戦の末に鳥羽を降し、やっとの思いで近畿大会の出場切符を獲得。しかし、ここからチームを立て直し、1回戦は17得点を奪ってコールド勝ちを収めた。準々決勝も圧勝し、準決勝では、明治神宮大会を2年連続で制した大阪桐蔭に最後まで食い下がった。 原動力となったのは、府大会終盤から投手陣の柱に成長した桑江駿成投手(2年)。右横手から多彩な変化球をコースに投げ分け、「自分がやるしかない」と覚悟を持って臨んだ近畿大会は2試合連続で完封勝ちした。 打線は、出塁率が高く長打力もある白石力翔選手(2年)が突破口を開き、山下慶士選手(2年)、山口翔梧主将(2年)ら力のある中軸が確実に走者を還す。昨秋のチーム打率は3割8分、1試合平均8点以上を挙げるなど得点力は高い。1試合平均1失策と、伝統の堅い守りも健在だ。 就任30年の節目の年を迎えた原田英彦監督は「昨夏の京都大会の経験者がほとんどいないメンバーで、ここまでよくやった。選手層を厚くして競争させ、チーム力をアップさせたい」と部員61人のさらなる奮起に期待し、9年ぶりの頂点を狙う。 ◆学校プロフィル ◇OBに衣笠祥雄さん 1876(明治9)年、浄土真宗本願寺派寺院の子弟を教育する目的で滋賀・彦根に創立した「金亀(こんき)教校」が前身で、1909年に西本願寺西側の現在地に移転。10年に旧制平安中学校、48年に新制の平安高校となり、2008年に龍谷大付属平安高校に改称された。 硬式野球部は1908年創部。甲子園出場は春夏で通算76回目となり、全国歴代最多を更新した。夏は38、51、56年の3回優勝し、春は2014年に初制覇。OBには、プロ野球の連続試合出場記録を持つ「鉄人」こと元広島の衣笠祥雄さん(故人)や、元阪神の桧山進次郎さん、楽天の炭谷銀仁朗選手、ヤクルトの高橋奎二投手ら。 京都市下京区御器屋町30(075・361・4231)。