目が合いにくい子の子育てに有効な「アイコンタクト+笑顔」 発達外来の専門医がすすめる習慣
子どもと目が合ったら「ニコッ!」と笑う。それだけで子どもはうれしい気持ちになります。 【解説】ASDの子が目を合わせないのはなぜ? 人の目を見ることが苦手な、発達に特性のある子も、「アイコンタクト+笑顔」の習慣によって人の目を見ることに慣れるそう。 発達専門小児科医の西村佑美先生の著書『発達特性に悩んだらはじめに読む本』より、「アイコンタクト+笑顔」のうれしい効果についてご紹介します。 ※本記事は、西村佑美著『発達特性に悩んだらはじめに読む本』(Gakken)より、一部を抜粋編集したものです。
「子どもと目が合ったらニコッ!」は言葉を使わない最高の注目ほめ習慣
目が合ったときに、ママ、パパがニコッと笑ってくれた! ただそれだけで、子どもは「ママ、パパは自分のことが好きなんだ」と喜びを感じます。人は、好きな相手と目が合うことで注目されたと気づきうれしくなるものです。 例えば、学生時代、好きな人と目が合って笑ってくれたとき、ライブで推しのアイドルと目が合い笑顔を向けてくれたとき…ふふ、想像しただけでうれしくなりますよね。 子どもと目が合ったら意識的に口角を上げる「アイコンタクト+笑顔」を習慣にすると、子どもは「ママ、パパの目を見る=うれしい」となり、人の目を見てコミュニケーションをとる習慣の種まきになります。子どもと目を合わせて笑顔でほめ言葉をかけるようにすれば、ごほうびとしてうれしさが倍増。「大好きなママ、パパの言うことを聞いてがんばってみよう」という素直さが育まれていくのです。
特性のある子は目を見るのが苦手。だけど経験して慣れることができる!
初対面の人に、突然目をじっと見られたら緊張するように、ASDタイプの子は、人の目を見ることが苦手な傾向があります。人の目は動いたり、まばたきをしたり常に変化するので、視覚情報のアンテナが強くて感受性豊かな子は、目を見ると緊張して疲れやすいようです。また、ADHDタイプの子は、人の目を見ることには抵抗がなくても好奇心アンテナの矢印がいろいろな方向に向いているので、気になるものが目に入ると視線がそれやすく、表情に注目できないことがあります。 ASDの特性について「感情が理解できない」「空気が読めない」なんてネガティブな表現をされることもありますが、人の目を見ることが苦手だからこそ、感情の理解、空気を読むことが苦手なのです。でも、「苦手だからできない」とあきらめないでくださいね。ASDの特性の強いお子さんでも、親子のアイコンタクトで「目を合わせる+うれしい」という経験を積めば、人の目をチラッとでも見ることに慣れることができます。