液体水素普及へ、トヨタがインフラ整備に乗り出した
トヨタ自動車が液体水素を燃料とする車の社会実装に向け、インフラの整備に乗り出した。既存の水素ステーションを活用した充填方法や、ボイルオフガス(自然に気化するガス)を回収し電力に変換する取り組みを始めた。トヨタはモータースポーツの現場を通じ、2023年から液体水素エンジン車の開発を進めている。これに加え、水素エネルギーを最適に利用する技術も磨く。液体水素の普及に向け、多方面からアプローチする。 【写真】トヨタが開発した液体と気体の水素の両方を充填可能な「三又ジョイント」 10月に愛知県刈谷市で気体・液体水素の両方を併設する水素ステーションの実証実験を行うと27日、大分県日田市のレース場「オートポリス」で明らかにした。トヨタは岩谷産業と共同で液体と気体の水素の両方を充填可能な「三又ジョイント」を開発。既存のステーションは液体で貯蔵した水素を気化し、圧力をかけ燃料電池車(FCV)などに充填している。同ジョイントにより気体に加え、液体水素をそのまま充填することも可能。既存の設備を利用するため投資も最小限になる。 また、車両に液体水素を充填した場合、ボイルオフガスが発生する。同ガスの再利用に向け、日本重化学工業(東京都中央区)と連携し水素吸蔵合金タンクを活用する。同タンクに水素を吸蔵し、小型燃料電池(FC)スタックを通じて電気に変換。クーラーなどの電力として使用する。