41歳で「年収420万円」、今後も昇給の見込みはないけれど「40代での転職」って厳しいですか?「売り手市場」の今なら大丈夫でしょうか?
少子高齢化による人手不足が慢性化する現在、転職して「年収が上がった」という人もいるのではないでしょうか。かつては不利だと言われた中堅世代の転職も、今や状況は大きく変わり始めているようです。 では40代から転職を狙う場合、どのような点に気をつけるべきなのでしょうか。データを見ながら考えていきましょう。 ▼勤続20年でも年収は「280万円」貯蓄も「30万円」しかないのは少なすぎ!? 転職したほうが良いの?
「40代で転職」しても、年収が増えた人は約4割いる
株式会社マイナビが運営する総合転職情報サイト『マイナビ転職』の調べによれば、直近2年のうちに転職を行った人のうち、全体の40.2%は「転職前よりも収入が増えた」と回答しています(図表1)。 一方で「転職後に収入が減少した人」の割合は全体で25.1%にとどまっており、「転職をすると収入は下がる」というデフレ時代の常識は大きく変化してきていると言えます。
<図表1> マイナビ転職「転職による年収アップの実態調査」より抜粋 転職後に収入がアップした人の割合は20代~30代の若い転職者のほうが高いですが、40代の転職者であっても39%と、かなりの高率であることが見て取れます。 これが50代での転職となると「転職後に収入が減少した」人の割合のほうが大きくなっていますので、40代は「転職をして、収入増が強く見込めるラストチャンスの年代」だと言えるかもしれません。 この傾向は令和5年度の厚生労働省による「雇用動向調査」の結果からも同様に読み取ることができ、さらに令和4度調査と比較すると、「転職後に賃金が増加した」と回答した人の割合は上昇しています(令和4年度・35.2%→令和5年度・37.7%)。 少子高齢化の進行による構造的な人手不足が今後も継続すると考えると、「転職後に賃金が増加する人」の割合は、将来はさらに上昇していくのではないでしょうか。 現在の職場で勤務し続けても収入増が期待できないことがわかっているのであれば、綿密に準備をしたうえで、収入増を狙って転職をすることは「大いにあり」であると、筆者は考えています。