債券先物は上昇、原油価格の下落を受けて米長期金利が低下
(ブルームバーグ): 21日の債券相場は先物が上昇。米国で原油先物安を受けて長期金利が低下した流れを引き継いでいる。
18日のニューヨーク原油相場は約2%下落。米長期金利は4.08%に低下した。
岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、週末に衆院選を控えていることや、日本銀行の利上げ観測も根強いため、狭い範囲でもみ合っていると指摘する。
朝日新聞は21日付朝刊で、衆院選で自民、公明両党の与党が過半数を維持できるか微妙な情勢だと報じた。
鈴木氏は、与党が過半数割れしたら政局が不安定化するため「日本売りという形で株安、円安となり、安全資産である債券は買われる可能性もある」と語る。ただ、その場合は財政拡張の可能性も高まるため、「大きく金利が下がることもイメージしにくい」とし、いずれにしても選挙結果が出るまでは動きにくいと話した。
日銀は海外経済や金融市場の先行きが不透明な中で、今月の金融政策決定会合で追加利上げを急ぐ必要性は乏しいとの認識を強めている。物価情勢は2%目標の実現に向けて着実に前進しており、その後の追加利上げの可能性は排除されない状況という。複数の関係者への取材で分かった。
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Masahiro Hidaka