世界平和祈って「比叡の大護摩」 ウクライナ・ガザ、痛みを共感
天台宗総本山の延暦寺(大津市)で18、19日、世界平和などを祈る「比叡の大護摩」が営まれ、人々の願い事が書かれた護摩木が燃え盛る炎に投げ入れられた。 法要は西塔にある伝教大師(最澄)像の前に、護摩木が投じられる大きな釜をしつらえて行われた。18日の法要では、千日回峰行(かいほうぎょう)を達成した藤波源信大阿闍梨(だいあじゃり)が導師を務めた。最澄の時代から約1200年間燃え続けているとされる「不滅の法灯」から分けた火が燃え盛る大釜に、僧侶が護摩木を次々と投げ込むと、参拝者らは手を合わせて祈っていた。 大護摩は、世界の宗教指導者が延暦寺に集まって世界平和を祈った昭和62年の「比叡山宗教サミット」の精神を受け継ごうと、平成2年から始まった。 延暦寺の水尾寂芳師は「世界ではウクライナやガザ地区など各地で悲惨な戦争が続いている。わが身の痛みとして共感し、祈りを届けましょう」とあいさつした。(田中幸美)