1ドル160円で夫婦の食費は年間1万円以上増…トランプ再任で家計を襲う“猛烈値上げ”
「そもそもアメリカから購入しようと想定している武器調達費用は、1ドル=130円だったころに計算されたもの。ところが円安によって、当初予定していた武器をそろえられない状況です。予算が足りないから買えないという日本の言い分は通用しないでしょう。アメリカの思惑どおりに進めば、さらに防衛費がかさむことは避けられません。ただでさえトランプ氏は高めの要求をしてくるので、防衛費がGDP比3%以上必要になってもおかしくないでしょう」(古賀さん) 事実、トランプ前政権の国防ブレーンも、NHKなどのメディアに対し「GDP比2%ではなく、3%にすべき」と明言している。仮にGDP比1%(6兆円)をさらに上乗せされるとすれば、税金などにより国民1人当たりの負担は5万円も増えることになる。 この防衛費負担増が現実的に思えるほど、世界情勢は混沌としている。中東やウクライナの状況に関して無責任な発言を繰り返すトランプ氏に、世界の戦いを終息させることはできるのだろうか。 「ウクライナへの支援を打ち切り、ロシアが勝つという形で戦争を終わらせる可能性はあります。一方、中東では、親イスラエルのトランプ氏が再選したことで、アメリカからさらなる支援が引き出せる公算が高くなりました」(古賀さん) 中東問題は、エネルギー価格にも影響を及ぼす。日本国内ではガス、電気代の補助制度が10月に終了しており、一般家庭ではガスで200?300円、電気代で500?600円ほど月ごとの負担が増えることに。 「中東情勢の状況次第では、1バレル70ドルで安定していた原油価格が、80ドル近くまで上がるリスクがあり、さらに円安も進めば輸入価格に追い打ちをかけます」(熊野さん) 以上のように、指摘されている食費や光熱費の支出増、防衛費を賄うための国民負担増を夫婦2人家庭で試算すると、年間で12万2千円にのぼった。 「電気、ガス、水道、灯油、ガソリン代などが家計に占める割合は8%、食費が約30%で、ギリギリの生活を強いられています。これ以上の負担増となれば、レジャーや趣味に費やすお金を我慢したり、副業して収入を増やすなどして自衛するしかありません」(熊野さん) トランプ氏の再登板により、はやくも懸念される食費・光熱費の支出増、防衛費拡大による増税、雇用への影響、環境問題の深刻化……。“またトラ”の4年間は、私たちの生活に暗い影を落とすことになりそうだ。
「女性自身」2024年11月26日号