インバウンドの爆買いから「お菓子のサブスク」に着目した理由とは|株式会社ICHIGO代表取締役・近本あゆみさん|STORY
――会社に入った途端、赤い大きなイチゴのイラストがかわいくて目につきました。 「日本文化と海外に住むお客様との一期一会を作りたい」という想いから、社名は「ICHIGO」に決めました。一期一会の機会から、サブスクの商品を通して飽きずに日本の文化に親しみを持ってもらいたいという期待を込めました。 ――アメリカにサブスクで勝負する際、「お菓子」に価値を見出した理由は何だったのでしょうか? ビジネスを展開するなら、アメリカか中国の市場を狙おうと調査しましたが、東日本大震災後で中国には輸出品目の制限等があり、アメリカの市場に絞りました。 サブスクは定期課金なので、飽きずに楽しんでいただける物、なおかつ送料が高くならないように重くない物、そしてバリエーションがある物で検討しました。そこで、インバウンドの外国の方が、お土産に必ず日本の「お菓子」を買っていく姿に着目しました。既にアメリカには日本のお菓子を提供しているサブスクがありましたが、よく見ると日本のお菓子と称しながら、英語や韓国語で書いてあるお菓子が入っていたんです。ならば良質な本物の日本のお菓子を自分なら提供できる。そして「ライバルがいるならば絶対に需要があるはず」と狙いを定めて「お菓子のサブスク」を選びました。
――顧客はどんな方が多いのでしょうか? 弊社はサービスを英語で展開しているため、顧客はアメリカが一番多く7割を占めています。英語圏の国やヨーロッパ各国、アジアや中東、アフリカなど180の国と地域に利用者がいます。 ――30歳で起業されたということですが、当初はどんなことに苦労されたのですか? 私は英語が得意ではなかったため、2015年に語学が堪能な共同創業者と起業しました。最初は仕入れ、梱包、発送まで二人でやっていたのですが、ありがたいことにお客様はすぐに増えて、売上げはどんどん伸びたのですが、いちばんの困難は商品の「仕入れ」ができないことでした。「本当に通販で売れるの?」と実績のない新参者は問屋先に受け入れてもらえず、電話やメールで断られる日々。そのため初めは私が一般の量販店を回り、商品を仕入れて梱包していました。