【パリのパティシエ長江桂子さんにお菓子を習う】パリっ子の好物「エクレア」
世界のグランシェフたちの信頼を勝ち得てガストロノミー界の檜舞台に登場。現在はパリを拠点に世界各地で活躍中の長江桂子さん。長江さんが、これさえ覚えておけば、お菓子づくりには一生困らないとっておきのレシピを丁寧にお伝えします。 写真で分かりやすい!長江桂子さんのエクレアレシピ 「フランスでポピュラーなお菓子といえばエクレアです。エクレアは、どのお菓子屋さんにも必ず並んでいます。日本のショートケーキやシュークリームのような存在ですね」。 「作り方は単純ですが、実はとても奥の深い生地です。外側はカリッと、中はしっとりさせるためには、しっかりと焼き上げるのがコツです。しているのが理想ですが、そのように仕上げるのは案外難しいですね」。 エクレアは、コーティングと中に詰めるクリームによってさまざまなバリーションが生まれるので、パティシエの個性が表現されるお菓子でもある。「通常はフォンダンと呼ばれる糖衣にフレーバーをつけたもので表面を覆いますが、家庭で作るのはなかなか難しいですね」。クリームはクレーム・レジェールをはじめ、カスタードクリームや生クリーム、風味付けにコーヒーやリキュールを加えたり、フルーツをはさんだり。 今回は、チョコレートコーティングの方法と、コーヒークリームを詰めたエクレアの2種類をご紹介。「チョコレートとコーヒーのエクレアはフランスでは定番の味。チョコレートコーティングには繊細な技術が必要なので、市販のお菓子のようにきれいに仕上げるのは難しいのですが、おうちでいただくお菓子ですから、おいしさ優先で楽しんでください」。
エクレア生地の作り方
■材料(約6~8個分) 水 50g 牛乳 50g 無塩バター 45g 塩 2g グラニュー糖 2g 薄力粉 60g 卵 100g(2個) ■下準備 ・ベーキングシートに鉛筆で10㎝幅に2列、線を引く。 ・ベーキングシートを裏返し、天板にのせる。 ■作り方 1 鍋に水、牛乳、無塩バター、塩、グラニュー糖を入れて温める。混ぜながらバターを溶かし、沸騰したら火からおろす。シュー生地は力をしっかり入れてまとめていかないといけないので、混ぜる道具は木ベラがおすすめ。 2 薄力粉を一気に加えて、木べらで手早くかき混ぜる。水分を薄力粉に一気に吸わせるのがポイント。ダマができないように、薄力粉を加えたらすぐに力強く混ぜる。 3 粉気がなくなるまで混ぜたら、再び火にかけ(中火から強火)、木ベラで鍋底をこそげるように力強く混ぜる。 4 加熱しながら水分を飛ばし、生地が一つにまとまって鍋肌から離れるようになったら火からおろす。 5 ボウルに移して、粗熱を取るために軽く練りながら温度を下げる。表面にツヤが出てくる。卵は60℃くらいで固まるので、ここで人肌より少し熱いくらい(45~50℃)までに下げておく。 6 5に溶いた卵を3~4回に分けて加え、加える度に生地と卵をしっかり混ぜる。 7 ヘラで生地をすくうと最初にボタっと落ち、後を追うようにリボン状に落ちていくような状態に整える。生地はツヤがあり、なめらかな状態。加える卵の量は、生地のかたさを確認しながら調整する。 8 金をつけた絞り袋に7の生地を入れ、10㎝幅の線の間に細長く絞り出す。口金は星形でも丸型でもOK。写真のように、絞り袋を少し浮かせるときれいに絞れるので、もう一方の手の人差し指を口金に当てて、口金を浮かせるとよい。 9 生地の表面に溶き卵(分量外)を塗る。凹凸があれば、塗りながら刷毛を左右に動かして表面を平らにする。 10 9の生地の半分に砕いたヘーゼルナッツとアーモンド(各材料外)をのせる。生地はこの状態で冷凍可能。冷凍する場合は、ベーキングシートごと冷凍庫へ。固まったら密閉容器に入れて保存する。 11 190℃のオーブンで20分焼き、180℃に下げてさらに10分焼く。焼成中はオーブンの扉を開けないこと。焼成途中で開けると、膨らんでいた生地がしぼんでしまう。絞り袋に残った生地も一緒に焼いてしまおう。